内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:345

意識が飛ぶほどの痛みも。診断に数年かかった身近な疾患

 とくに日本において、病気としての社会的認知度が極めて低く、「さぼっている」「精神的なもの」というレッテルを貼られがちな疾患がある。女性の12.9%、男性の3.6%が抱える神経性の疾患でありながら、その認識の低さにより受診率が低く、患者の半数以上が市販の鎮痛薬にのみ頼っている。1月29日、「『健康経営』の新たな視座 働き世代の女性が苦しむ片頭痛への理解」と題したメディアセミナー(主催:日本イーライリリー)が開催された。本稿では、坂井 文彦氏(埼玉国際頭痛センター)、五十嵐 久佳氏(富士通クリニック)のほか、女性患者による講演の内容をレポートする。

新型コロナウイルス感染の家族内感染クラスター事例(解説:浦島充佳氏)-1194

一番注目するべきは、どこで感染したか明確にトレースできない患者が含まれる点と、発症直後より感染力を有する点である。SARSのときは、誰からどこで感染したということがほぼすべてのケースで同定できた。また、SARS患者は発症して5日目より感染力を増す傾向にあった。そのためSARS患者を4日以内に入院隔離すれば感染拡大を阻止し、封じ込めることができる。実際、発熱から入院までが平均3日となった時点より患者発生数が減り始めている。しかし、中国の対策チームは「新型コロナウイルスは潜伏期間にも感染させる可能性がある」と発表した。

COVID-19、今検討すべき各医療機関の対応/日本医師会

 政府は、新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を連日開催し、25日に「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表。26日には、全国的なスポーツ・文化イベントについて、今後2週間は中止もしくは延期、規模縮小するよう要請し、日本医師会もこれに準じた対応を呼び掛けている。  各地域の医療機関では、周辺の流行状況に応じた対策が求められるが、まずは標準予防策を徹底することが非常に重要だ。釜萢 敏氏(常任理事)は、「今後、一般の医療機関でも新型コロナウイルス感染疑い患者の受け入れが必要になる事態に備え、各医療機関では、診療時間や動線を区分するなどの感染対策がどこまで可能なのか、事前に確認してほしい」と呼び掛けた。

入園入学シーズン、食物アレルギーとアナフィラキシーから子供をどう守るか

 2020年2月21日、マイランEPD合同会社は4月の入園入学シーズンに合わせ、医師・教職員・保護者の立場から食物アレルギーを持つ子供を守るための知識を学ぶための「アナフィラキシー啓発メディアセミナー」を開催、この中でアレルギー専門医の佐藤 さくら氏(国立病院機構相模原病院臨床研究センター病態総合研究部 病因病態研究室長)が食物アレルギーの病態や最新の関連ガイドラインについて講演を行った。  食物アレルギーの子供は年々増えている。東京都が3歳児健診時に行った調査によると「子供がアレルギーを持つ」と答えた保護者は、1999年には7.1%だったが2014年には16.1%まで増加しており、保育園・幼稚園や学校側は、給食を筆頭に、調理実習、修学旅行などの校外授業、小麦粉粘土の使用などのさまざまな面で対応が必要となっている。

COVID-19、家族クラスターにおける感染の経過/Lancet

 中国・深圳市の家族7人における、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染および臨床経過が報告された。香港大学のJasper Fuk-Woo Chan氏らによる、Lancet誌2月15日号(オンライン版1月24日号)掲載の報告。  2019年12月29日から2020年1月4日まで武漢市に滞在した家族6人を、1月10日から登録。うち5人で感染が確認された。さらに、旅行していないもう1人において、家族のうち4人と数日間接触した後、SARS-CoV-2陽性が確認された。本研究では、同家族の疫学的、臨床的、実験的、放射線学的、および微生物学的所見を報告している。

花粉症重症度の自己チェックに有用なツール公開

 ノバルティスファーマ株式会社は2020年2月、重症花粉症の情報に特化したWEBサイトを全面リニューアルし、自分に合った花粉マネジメント法の理解や治療選択の一助となることを目的とした『重症花粉症ドットコム』を開設した。今回のサイトリニューアルに際し、自らも症状に悩み、その辛さをSNSなどで訴える川口 春奈さん(女優・モデル)が「重症花粉症」の啓発アンバサダーに就任。重い症状に悩む患者に自らの重症度を考えるきっかけを提供する。

COVID-19、そのまま渡せる「感染予防ハンドブック」を無料公開

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大を続ける中、東北医科薬科大学は市民向けにCOVID-19の基礎知識と対応策をまとめた感染予防ハンドブックを作成し、PDFをサイトで公開している。医療者にとって、患者からの問い合わせに応える一助となる内容だ。  2月25日に公開されたこの「新型コロナウイルス感染症~市民向け感染予防ハンドブック」は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)そのものに関する情報からはじまり、感染した場合の症状、潜伏期間、感染経路の可能性などについて解説。とくに「かからない・うつさないための対策」として手洗いや咳エチケットについてイラストを交え、ページを割いて丁寧に解説している。同大の感染症学教室特任教授の賀来 満夫氏の監修のもと、2月25日時点の情報に沿ってまとめられたもので全19ページ、出典を記載したうえで自由に印刷・配布ができる。

COVID-19、重症肺炎の臨床経過や投与薬剤は?/Lancet

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)関連肺炎の重症例について、臨床経過・転帰などを調査する目的で中国・華中科技大学のXiaobo Yang氏らがレトロスペクティブスタディを実施。その結果、SARS-CoV-2感染症による重症肺炎患者の死亡率の高さが明らかとなった。また、死亡者の生存期間は集中治療室(ICU)入室後1〜2週間以内の可能性があり、併存疾患や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を有する高齢者(65歳以上)では死亡リスクの上昇もみられた。Lancet誌オンライン版2020年2月24日号掲載の報告。

新型コロナウイルス感染妊婦の臨床症状と垂直感染の可能性(解説:小金丸博氏)-1193

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する論文が次々と公表され、一般集団における臨床像、画像所見の特徴などが少しずつ判明してきた。これまで妊婦に関するデータは限定的であったが、今回、新型コロナウイルス肺炎と確定診断された妊婦9例の臨床症状と、児への垂直感染の可能性を検討した論文がLancet誌オンライン版(2020年2月12日号)に報告された。妊婦9例の年齢は26~40歳で基礎疾患はなく、全例妊娠第3期だった。臨床症状としては、発熱(7例)、咳嗽(4例)、筋肉痛(3例)、咽頭痛(2例)、倦怠感(2例)を認めた。2月4日時点で感染妊婦に重症例、死亡例は確認されなかった。子宮内垂直感染の有無を確認するために、9例中6例で羊水、臍帯血、新生児の咽頭拭い、母乳中のRT-PCR検査が実施されたが、すべて陰性だった。

浙江省のCOVID-19症例、3割に基礎疾患/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した中国・浙江省の患者の臨床的特徴について、中国・浙江大学のXiao-Wei Xu氏らがレトロスペクティブ研究を行った結果、 2020年2月初旬時点では、武漢で感染した患者と比較して、浙江省の患者の症状は比較的軽度であることが明らかとなった。BMJ誌オンライン版2020年2月19日号掲載の報告。  研究者らは2020年1月10日~26日の期間、中国・浙江省でCOVID-19患者受け入れ登録施設である 7病院に検査入院し、SARS-CoV-2感染が確認された62例のデータを収集・調査した。疫学的データとして、武漢渡航歴や体温測定結果、曝露履歴、潜伏期間などを収集し、定形の症例報告書に臨床データを集約した。