内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:410

降圧薬の低用量3剤合剤は軽度から中等度の高血圧患者においても、安全に降圧目標への到達率を改善できる(解説:石川讓治氏)-939

日本高血圧治療ガイドライン2014においては、カルシウムチャンネル拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬およびサイアザイド利尿薬の3種類のいずれかを降圧薬の第1選択とし、降圧目標に達しなかった場合に他の降圧薬を追加することが推奨されている。英国のNICEガイドラインにおいても、年齢55歳と人種に応じてカルシウムチャンネル拮抗薬またはアンジオテンシン変換酵素阻害薬(または低価格のアンジオテンシンII受容体拮抗薬)のどちらかを第1選択とし、これらの併用でも目標降圧レベルに到達できないときにサイアザイド系利尿薬を追加することを推奨している。しかし、高リスクの高血圧患者においては、これらのステップに沿った降圧治療では目標レベルに達するまでに時間を要するため、その間の心血管イベントの発症が問題となっていた。そのため欧米の高血圧治療ガイドラインでは、高リスクの高血圧患者においては、第1選択薬として降圧薬の合剤を使用することが認められている。

AIが3年後の糖尿病発症リスクを予測

 わが国では、糖尿病が強く疑われる人が約1,000万人、糖尿病の可能性を否定できない人が約1,000万人と推計されている。糖尿病は、網膜症、腎症、神経障害の3大合併症に加えて、心血管疾患、がん、認知症などのさまざまな疾患のリスクを高めることが知られており、健康寿命を延伸するため、糖尿病の予防対策は国民的な課題となっている。

企業治験に関与すると便益もあるがジレンマも感じるものだ(解説:折笠秀樹氏)-936

企業が資金提供した第III相試験と第IV相試験で、結果が超一流医学誌に出版された200試験を調査したものである。第III相試験は企業主宰の治験がほぼすべてではないかと思う。そこで、同じ企業による資金提供とはいっても、企業主宰の臨床試験と研究者主導の臨床試験では性格が異なる。研究者主導の臨床試験は臨床研究法の対象であり、企業主宰の臨床試験(治験等)はGCP省令の対象である。アカデミアの研究者はどちらの臨床試験にも関与することはあるが、近年では企業主宰の臨床試験への関与は限定的になりつつある。

薬物治療抵抗性慢性不眠症に対する認知行動療法の有効性~日本における多施設ランダム化比較試験

 不眠症は、夜間の症状と日中の障害によって特徴付けられるのが一般的である。治療では、GABA-A受容体アゴニスト(GABAA-RA)がよく用いられているが、長期使用に関しては、薬物依存や潜在的な認知障害リスクの観点から、リスク-ベネフィット比が低い。精神保健研究所の綾部 直子氏らは、薬物治療抵抗性原発性不眠症患者における認知行動療法(cognitive behavioral therapy for insomnia:CBT-I)を併用したGABAA-RA漸減療法の有効性を評価した。Sleep Medicine誌2018年10月号の報告。

尿酸値上昇、食事の影響はわずか/BMJ

 一般集団において血清尿酸値の変化は、遺伝的寄与とは対照的に食事の寄与はわずかであることが明らかにされた。ニュージーランド・オタゴ大学のTanya J. Major氏らによる住民ベースコホート研究のメタ解析の結果で、BMJ誌2018年10月10日号で発表された。血清尿酸値は、遺伝的暴露と特定の食品などを含む環境的曝露による影響を受けることが知られている。

古くて新しい残余リスクとしてのLP(a)(解説:平山篤志氏)-937

これまでリポ蛋白(a)(LP(a))については、動脈硬化疾患と関連するということが知られていて、独立した冠危険因子とされていた、しかし、測定される対象が限られていることと、多くの試験が少数例であったこと、またLP(a)を低下させる薬剤がなかったこともあって、LDL-コレステロール(LDL-C)の陰に隠れた存在であった。

うつ病治療と食事パターン

 栄養精神医学の分野は、急速に成長している。当初は、メンタルヘルスにおけるビタミンや微量栄養素の効果について焦点が当てられてきたが、ここ10年間では食事パターンにも焦点が当てられている。うつ病のような最も一般的な精神疾患において、費用対効果の高い食事療法による介入の可能性は、潜在的に大きな影響を及ぼすため見過ごされるべきではない。ポルトガル・コインブラ大学のMariana Jesus氏らは、うつ病における食事パターンの影響について検討を行った。Current Pharmaceutical Biotechnology誌オンライン版2018年9月25日号の報告。