内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:411

高CVリスク肥満者の糖尿病発症をlorcaserinが抑制/Lancet

 選択的セロトニン2C受容体作動薬lorcaserinは、過体重・肥満の前糖尿病患者において糖尿病の予防効果を発揮するとともに、糖尿病患者では細小血管合併症を抑制することが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のErin A. Bohula氏らが行った「CAMELLIA-TIMI 61試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年10月4日号に掲載された。lorcaserinは、プロオピオメラノコルチンの産生を、視床下部で活性化することで食欲を制御する。米国では、長期的な体重管理において、食事療法や運動療法の補助療法として承認されている。

リポ蛋白(a)値とCVDリスクの関連/Lancet

 スタチンによる治療を受けた患者の個々のデータを用いたメタ解析の結果、ベースライン時およびスタチン治療中のリポ蛋白(a)高値は、独立して心血管疾患(CVD)リスクとほぼ線形相関を示すことが明らかにされた。英国・ケンブリッジ大学のPeter Willeit氏らが報告した。リポ蛋白(a)値の上昇は、一般集団を対象とした研究においてCVDの遺伝的リスク因子であることが示されているが、CVD患者またはスタチン治療中の患者における心血管イベントリスクへの寄与度は不明であった。著者は、「リポ蛋白(a)値低下仮説を検証するCVDアウトカム研究を実施する理論的根拠が得られた」とまとめている。Lancet誌2018年10月4日号掲載の報告。

抗血栓薬の「診療ガイドライン」を書くには勇気が必要!(解説:後藤信哉氏)-934

ランダム化比較試験を中心とする「エビデンス」をまとめて診療ガイドラインが作成される。新薬では薬剤開発の第III相試験が唯一の「エビデンス」の場合も多い。しかし、疾病の発症リスクは時代とともに変化する。ある時点のランダム化比較試験に基づいて「診療ガイドライン」を作成しても、数年後には血栓イベントリスクは激減して、抗血栓薬などは不要になるかもしれない。「診療ガイドライン」は、過去のエビデンスに基づいて作成されるが、出血イベント増加が不可避の抗血栓薬では未来の血栓イベントリスクが低下すれば未来の適応は現在よりも限局される。

歯周炎とアルツハイマー病リスクが関連

 歯周病が、軽度認知障害(MCI)・主観的認知低下(SCD)・アルツハイマー病(AD)のリスク増加の一因となるかどうかを検証するために、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJacob Holmer氏らが症例対照研究を実施した。その結果、辺縁性歯周炎と早期認知障害およびADとの関連が示唆された。Journal of Clinical Periodontology誌オンライン版2018年10月5日号に掲載。

日本人教師における仕事のストレスと危険なアルコール消費の性差に関する横断研究

 多くの教師は、仕事に関連するストレスや精神障害のリスクが高いといわれている。また、教師の飲酒運転や危険なアルコール消費(hazardous alcohol consumption:HAC)は、社会問題となっている。そして、燃え尽き症候群、職業性ストレス、自己効力感、仕事満足度に関する教師間の性差が報告されている。大阪市立大学の出口 裕彦氏らは、日本の教師における、認識された個人レベルの職業性ストレスとHACとの関連について性差を明らかにするため、検討を行った。PLOS ONE誌2018年9月20日号の報告。

マダニが媒介するライム病、最適な抗菌薬は?

 早期ライム病(LB)における遊走性紅斑の管理について、抗菌薬の種類や治療法の選択をめぐる論争がある。ドイツ・アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクのGabriel Torbahn氏らは、早期LBへの各種抗菌薬と治療法に対するすべての無作為化試験について、ネットワークメタアナリシス(NMA)を行った。その結果、抗菌薬の種類や治療法は、有効性および薬剤関連有害事象に寄与しないことが明らかになった。著者は、「今回の結果は、LB患者を治療する医師ならびに患者の意思決定にとって重要なものである」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年10月3日号掲載の報告。

日本の高齢ドライバーの自動車事故死亡率

 近年、先進国では高齢ドライバーによる自動車事故が大幅に増加している。わが国の高齢ドライバーの自動車事故の傾向を京都府立大学の松山 匡氏らが日本外傷データバンク(Japan Trauma Data Bank: JTDB)を用いて調べたところ、65歳以上のドライバーによる自動車事故の割合は年々増加しており、75歳以上で院内死亡率が最も高いことがわかった。Medicine誌2018年9月号に掲載。