大衆はメディアに左右されがちだが、ほとぼりが冷めると元に戻るもの(解説:折笠 秀樹 氏)-565 2013年10月から2014年5月にかけて、脂質改善薬であるスタチンの副作用が懸念された時期があった。非盲検の観察研究の結果に過ぎなかったのだが、BMJ誌にネガティブデータが2報発表された。
解析対象9,000例、リバーロキサバンのリアルワールドでの使用成績は? バイエル薬品株式会社は7月6日に都内にて、リアルワールド・エビデンスに関するプレスセミナーシリーズの第2回を開催し、慶應義塾大学医学部循環器内科特任講師の香坂 俊氏と東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野主任教授 池田 隆徳氏が登壇した。
日本食は認知症予防によい:東北大 日本食は、認知症発症の予防効果を有すると推測されているが、この課題を検討した報告はまだない。東北大学の遠又 靖丈氏らは、前向きコホート研究により、日本人高齢者を対象に、食事パターンと認知症発症との関連を検討した。The journals of gerontology誌オンライン版2016年6月29日号の報告。
スタチンを中断する患者、7割以上が再開/BMJ スタチン治療患者の中断率および再開率を調べた結果、1次予防目的での服用開始患者の中断率は47%、うち再開率は72%であり、2次予防患者ではそれぞれ41%、75%であったという。英国・パーク大学のYana Vinogradova氏らが、同国プライマリケア・データベースを用いた前向きオープンコホート試験の結果、報告した。スタチン治療については先行試験で、中断率が高く、アドヒアランスが低いことが示されている。また傾向として、若年層または高年齢層、女性、マイノリティ、喫煙者、BMI低値、非高血圧または非糖尿病の患者でアドヒアランスが低いことが示されていた。しかし、大半の試験が一般市民の代表を対象としたものではなく、試験デザイン、曝露やアウトカムの定義がまちまちであった。BMJ誌オンライン版2016年6月28日号掲載の報告。
マスコミ報道がスタチン服用中止率に影響/BMJ マスコミがスタチンのリスクとベネフィットについて広く報道し世間で激しい議論が繰り広げられた後、患者のスタチン服用中止率は一時的に上昇した。英国・London School of Hygiene and Tropical MedicineのAnthony Matthews氏らが、同国のプライマリケアのデータを用いて分割時系列分析を行い、報告した。著者は、「これは、一般のマスコミで広く扱われる健康に関する記事が、ヘルスケア関連行動に影響する可能性があることを強調している」と述べている。これまでにも、デンマーク、オーストラリア、トルコ、フランスの研究で、マスコミの否定的な報道がスタチンの中止率や処方率に影響を及ぼすことが示唆されている。英国では2013年10月、スタチンに関して物議を醸す論文2報が発表され、その後、スタチンのリスクとベネフィットについてマスコミで議論が繰り広げられていた。BMJ誌オンライン版2016年6月28日号掲載の報告。
ジカウイルス感染症では熱よりも発疹 昨年、社会的に話題となった「ジカウイルス感染症」について、国立国際医療センターが6月29日にメディア向けにセミナーを開催した。セミナーでは、山元 佳氏(国立国際医療センター 国際感染症センター)が、本症の最新知見と今夏の予防策について講演を行った。
認知症になりやすい職業は 認知症や認知機能障害は、高齢者において有病率の高い疾患である。そのため、これらに関連する潜在的に修正可能なリスク因子を確認することが重要である。認知症のリスク因子として、生涯を通して従事した職業が関連している可能性がある。スペイン・サラゴサ大学のAna Cristina Gracia Rebled氏らは、高齢者における生涯従事した主な職業と認知症や認知機能障害との関連を分析した。Revista espanola de salud pública誌2016年6月21日号の報告。
刺身や焼き魚は高尿酸血症になりやすい? わが国の成人において、生の魚や焼き魚の摂取量が高尿酸血症リスクの増加に関連するが、煮魚やフライでは関連がみられないことが、東北大学の永富 良一氏らのグループによる3年間の追跡調査において示された。Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases誌オンライン版2016年5月28日号に掲載。
高齢者の「噛む力」と死亡リスク 70歳時の最大咬合力は、日本人高齢男性における全死因死亡率と独立して関連することが、新潟大学の岩崎 正則氏らによる研究で明らかになった。この研究データは、口腔機能と高齢者の健康との関連についての追加エビデンスになりうる。Journal of oral rehabilitation誌オンライン版2016年4月15日号の報告。
アルコールの入手のしやすさと心疾患発生の関連/BMJ 法的なアルコール入手環境の違いという観点から心疾患との関連を検討した、米国・カリフォルニア大学のJonathan W Dukes氏らの研究成果が発表された。入手がしやすい地域の住民では心房細動が有意に多く、心筋梗塞およびうっ血性心不全は有意に少なかった。しかし規制が緩和されると短期間でうっ血性心不全のリスクの増大がみられたという。アルコールと心疾患の関連は複雑で相反する結果が報告されている。これまでの関連を検討した観察研究は、アルコール摂取について自己申告に基づいたもので、交絡因子がアウトカムに関連していた可能性があり、研究グループは、1州におけるアルコール販売規制の郡ごとの違いに着目して観察コホート研究を行った。BMJ誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。