日本食は、認知症発症の予防効果を有すると推測されているが、この課題を検討した報告はまだない。東北大学の遠又 靖丈氏らは、前向きコホート研究により、日本人高齢者を対象に、食事パターンと認知症発症との関連を検討した。The journals of gerontology誌オンライン版2016年6月29日号の報告。
自治体ベースのコホート研究(大崎コホート研究)に参加した、65歳以上の高齢者1万4,402人を5.7年間フォローアップしたデータを分析した。食物摂取頻度調査票を用いて、39の食品および飲料の消費に関する主成分分析を行い、食事を日本食パターン、動物性食品パターン、高乳製品パターンの3種類に分類した。認知症発症に関するデータは、公的介護保険データベースより収集した。
主な結果は以下のとおり。
・7万1,043人年のフォローアップ中、認知症発症率は9.0%であった。
・日本食パターンのスコアは、認知症発症リスクの低さと関連が認められた(最高四分位 vs.最低四分位;HR:0.80、95%CI:0.66~0.97、p=0.016)。
・動物性食品パターンおよび高乳製品パターンでは、認知症発症との有意な関連は認められなかった。
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(鷹野 敦夫)