内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:510

喫煙歴+呼吸器症状は呼吸機能悪化のリスク/NEJM

 呼吸機能保持が認められる現在・元喫煙者で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)診断基準を満たさなくとも呼吸器症状がある人は、ない人に比べ、呼吸機能が悪化する割合が高く、活動制限や気道疾患の所見がみられるという。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のPrescott G. Woodruff氏らが行った、2,736例を対象とした観察試験の結果、示された。COPDの診断は、気管支拡張薬投与後のスパイロメトリーによる検査で1秒量(FEV1)/努力肺活量(FVC)が0.70未満の場合とされている。しかし、この定義を満たさなくとも多くの喫煙者で呼吸器症状が認められており、研究グループはその臨床的意味について検討を行った。NEJM誌2016年5月12日号掲載の報告より。

心筋梗塞・脳梗塞の発症確率予測モデルを開発~JPHC研究

 わが国の多目的コホート(JPHC)研究から、研究開始時の健診成績・生活習慣からその後10年間の心筋梗塞および脳梗塞の発症確率予測モデルを開発した研究結果が発表された。健診結果から自分で心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを計算できるため、禁煙などの行動変化や生活習慣の変容を通した心血管疾患予防に役立つことが期待される。Circulation journal誌2016年5月25日号に掲載。

飲酒量と高血圧の関連、フラッシングと関係なし~NIPPON DATA2010

 高血圧における飲酒の影響はフラッシング反応の有無により異なる可能性があるが、確認されていない。今回、大規模コホートNIPPON DATA2010のデータを用いた研究で、日本人男性ではフラッシング反応に関係なく飲酒量と高血圧が正相関することを、東北大学の小暮 真奈氏らが報告した。Hypertension research誌オンライン版2016年5月12日号に掲載。

BMIと死亡リスクの関係はJ字型:3,000万人以上のメタ解析/BMJ

 死亡リスクは肥満だけでなく過体重でも増大し、さらに痩せの場合も増加することが、ノルウェー・科学技術大学のDagfinn Aune氏らの検討で示された。痩せのリスク増加には、部分的に診断前疾患による交絡が影響している可能性があることもわかった。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年5月4日号に掲載された。高BMIは死亡リスクを増大させるが、最近のメタ解析(Flegal KM, et al. JAMA 2013; 309: 71-82)は、過体重では死亡リスクが低下し、リスクが増大するのはGrade 2(BMI≧35)の肥満に限られるとしている。しかし、この結果は、交絡因子としての喫煙や有病率の高い疾患、診断前疾患の影響を受け、多くの大規模コホート試験を除外したことによるバイアスの可能性があるという。

SU薬とDPP-4阻害薬の併用、低血糖リスクを50%増加/BMJ

 スルホニル尿素(SU)薬で治療を受けている2型糖尿病患者に対し、DPP-4阻害薬を追加投与すると、低血糖リスクが50%増加し、最初の6ヵ月間で低血糖症例が患者17人に1人増えることになる。フランス・ボルドー大学のFrancess Salvo氏らが、無作為化プラセボ対照比較試験のシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。DPP-4阻害薬とSU薬との併用により低血糖リスクが増加することは知られていたが、そのリスクの定量化はなされていなかった。著者は、「DPP-4阻害薬の投与を開始する場合にはSU薬の減量が推奨されていることを尊重し、低血糖リスクを最小限にするこの治療法の有効性を評価する必要がある」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年5月3日号掲載の報告。