内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:513

Ht値と脳卒中・冠動脈疾患リスクは関連する

 ヘマトクリット(Ht)値と循環器疾患(CVD)リスクの関連については、一貫した結果が得られていない。九州大学(現 九州医療センター)の後藤 聖司氏らは、一般的な日本人集団(久山町研究)において、Ht値と脳卒中および冠動脈疾患(CHD)発症との関連性を調査した。その結果、Ht値の増加および減少はどちらもCVDのリスク増加と関連していたが、Ht値の影響はCVDのサブタイプにより異なることが示唆された。Atherosclerosis誌オンライン版2015年7月10日号に掲載。

CVD予防のためのスタチン開始基準、費用対効果を検証/JAMA

 2013年11月、米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は、脂質異常症におけるスタチン治療の新ガイドラインを発表した。米国・ハーバード公衆衛生大学院のAnkur Pandya氏らは、心血管疾患(CVD)の1次予防における本ガイドラインの費用対効果プロフィールの検証を行った。新ガイドラインでは、LDLコレステロールの目標値を設定せず、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の10年リスク(≧7.5%)をスタチン治療導入の指標としているが、リスク判定に使用されるPooled Cohort Equationsは過大評価を引き起こす可能性があるため、実臨床で閾値の幅を広げた場合などに、不要な治療による甚大なコスト増大やスタチン誘発性糖尿病のリスク上昇の懸念があるという。JAMA誌2015年7月14日号掲載の報告。

高血圧への肥満の影響、30年で著しく増加

 わが国ではこの数十年にわたって、過体重者(BMI:25.0~29.9)と肥満者(同:30.0以上)の割合が増加している。福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 永井 雅人氏らは、1980~2010年における4つの全国調査を用い、過体重および肥満の高血圧症への影響の経年動向を調べた結果、その影響は有意に増加したことが示された。過体重者および肥満者が増加しないよう、早急に対処する必要性を示唆している。Hypertension Research誌オンライン版2015年7月16日号に掲載。

市中肺炎の入院例における年齢・病原体を調査/NEJM

 米国疾病管理予防センター(CDC)のSeema Jain氏氏らは、市中肺炎による入院について詳細な調査を行った。その結果、高齢者で入院率が高いこと、最新の検査法を駆使したが大半の患者で病原体を検出できなかったこと、一方で呼吸器系のウイルス感染が細菌感染よりも検出頻度が高かったことなどを報告した。米国では、市中肺炎が成人の感染症による入院および死亡の要因であることは知られていたが、詳細は不明であった。NEJM誌オンライン版2015年7月14日号掲載の報告。

ACC/AHA2013のスタチン適格基準は適切か/JAMA

 ACC/AHAガイドライン2013では、脂質管理のスタチン治療対象について新たな適格基準が定められた。同基準について米国・マサチューセッツ総合病院のAmit Pursnani氏らは、コミュニティベースの1次予防コホート(フラミンガム心臓研究被験者)を対象に、既存のATP IIIガイドラインと比較して適切なスタチン使用をもたらしているかを検証した。その結果、新ガイドライン適用で、心血管疾患(CVD)や不顕性冠動脈疾患(CAD)のイベントリスク増大を、とくに中等度リスク者について、より正確かつ効果的に特定するようになったことを報告した。JAMA誌2015年7月14日号掲載の報告より。

オンライン症状チェッカーは有用か/BMJ

 インターネットを介した自己診断およびトリアージアドバイスツールの利用が増大しているが、いずれも有用でないことが明らかにされた。これまで、それらツールの臨床的パフォーマンスを十分に評価した検討は行われていなかったが、米国ハーバード・メディカル・スクールのHannah L Semigran氏らが、一般公開されている23のツールについて監査試験(audit study)を行い報告した。トリアージアドバイスは、大体がリスクを回避するものであったという。BMJ誌オンライン版2015年7月8日号掲載の報告。

糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、2つ以上の罹患歴があると…/JAMA

 糖尿病、脳卒中、心筋梗塞のうち2つ以上の罹患歴を有する場合を、心代謝性疾患の多疾病罹患(cardiometabolic multimorbidity)と呼ぶ。このような集団は、罹患歴がない場合に比べ死亡リスクが相乗的に増大することが、英国・ケンブリッジ大学のEmanuele Di Angelantonio氏らEmerging Risk Factors Collaboration(ERFC)の研究グループの検討で示された。近年、心代謝性疾患の多疾病罹患の有病率が急速に上昇している。3疾患の個々の死亡リスクについては多数のエビデンスが存在するが、複数の疾患の罹患歴がある場合の生存に関するエビデンスはほとんどないという。JAMA誌2015年7月7日号掲載の報告。

地中海食と認知機能の関連をRCTで検討

 酸化ストレスおよび血管障害は、加齢による認知機能低下に関連する。疫学的研究では、抗酸化物質に富み心疾患を予防するという地中海食が、認知機能の低下を遅らせると示唆されているが、臨床試験でのエビデンスはない。スペインInstitut d'Investigacions Biomediques August Pi SunyerのCinta Valls-Pedret氏らは、地中海食が、対照群と比較し、高齢者の認知機能に影響するかどうか調査した。その結果、オリーブオイルやナッツを加えた地中海食は認知機能の改善に関連していた。JAMA Internal Medicine誌2015年7月号に掲載。