内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:515

障害生存年数の増加、主な原因は腰痛とうつ/Lancet

 188ヵ国を対象とした世界の疾病負担研究(Global Burden of Disease Study)2013の結果、世界的に高齢者人口が増加しており、また高齢者ほど疾患や外傷の後遺症を持つ人の割合が増加していることが判明した。米国・Institute for Health Metrics and EvaluationのTheo Vos氏らGlobal Burden of Disease Study 2013研究グループが、1990~2013年の188ヵ国の医療データをシステマティックに分析した結果、明らかになった。Lancet誌オンライン版2015年6月7日号掲載の報告より。

シタグリプチン追加で重症心血管イベント増加せず/NEJM

 2型糖尿病患者の治療において、通常治療にDPP-4阻害薬シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)を併用しても、重症心血管イベントは増加しないことが、米国・デューク大学のJennifer B Green氏らが実施したTECOS試験で示された。多くの2型糖尿病治療薬が承認されているが、一部の薬剤で心血管系の長期的な安全性に関して疑問が生じているという。米国FDAや欧州医薬品庁(EMA)は、新薬に対し、血糖降下作用だけでなく臨床的に重要な心血管系の重篤な有害事象の発生率を上昇させないことを示すよう求めている。NEJM誌オンライン版2015年6月8日号掲載の報告より。

アトピー性皮膚炎は皮膚リンパ腫のリスク因子?

 アトピー性皮膚炎(AD)患者におけるリンパ腫のリスク増加について議論となっている。フランス・ポール サバティエ大学のLaureline Legendre氏らは、AD患者のリンパ腫リスクと局所治療の影響を検討する目的でシステマティックレビューを行い、AD患者ではリンパ腫のリスクがわずかに増加していることを明らかにした。ADの重症度が有意なリスク因子であった。この結果について著者は「重度ADと皮膚T細胞性リンパ腫の混同がリンパ腫リスクの増加の一因となっている可能性がある」と指摘したうえで、「局所ステロイド薬および局所カルシニューリン阻害薬が重大な影響を及ぼすことはなさそうだ」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年6月号(オンライン版2015年4月1日号)の掲載報告。

問診のみで5年以内の死亡を予測可能?50万人の前向き研究/Lancet

 身体的な検査を行わなくても、通常の問診のみで得た情報が、中高年者の全死因死亡を最も強力に予測する可能性があることが、英国のバイオバンク(UK Biobank)の約50万人のデータを用いた検討で明らかとなった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のAndrea Ganna氏とウプサラ大学のErik Ingelsson氏がLancet誌オンライン版2015年6月2日号で報告した。とくに中高年者の余命を正確に把握し、リスクを層別化することは、公衆衛生学上の重要な優先事項であり、臨床的な意思決定の中心的課題とされる。短期的な死亡に関する予後指標はすでに存在するが、これらは主に高齢者や高リスク集団を対象としており、サンプルサイズが小さい、リスク因子数が少ないなどの限界があるという。

大豆イソフラボン、喘息コントロール効果なし/JAMA

 コントロール不良の喘息患者に対し、1日100mgの大豆イソフラボンを24週間投与したが、喘息症状の改善には結び付かなかった。米国・ノースウェスタン大学のLewis J. Smith氏らが、386例の患者を対象に行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、示された。複数の慢性疾患治療において、大豆イソフラボンが用いられているが、使用を裏づけるデータは限定的であった。コンロトール不良の喘息患者については、大豆イソフラボンが有望であることを示唆するいくつかのデータが示されていたという。JAMA誌2015年5月26日号掲載の報告。

認知症と介護、望まれる生活環境は

 認知症患者が生活する環境デザインは納得できるもの、そして患者がパーソナルアイデンティティを強く保ち、彼らの能力を維持していけるようなものであるべきである。これまでは認知症患者がうまく生活することに重点を置いてきたため、終末期が近い患者の物理的環境支援へのニーズや希望が考慮されてこなかった。オーストラリア・ウーロンゴン大学のRichard Fleming氏らは、認知症患者が良好なQOLを保ちつつ人生の最期を迎えるのに適切な環境を明らかにするため、認知症患者、介護家族、医療従事者らからなるフォーカスグループインタビューを行った。その結果、環境デザインとして求められる15の特性についてコンセンサスが得られたことを発表した。BMC Palliative Care誌オンライン版2015年5月12日号の掲載報告。

死亡リスクが高い気温は?/Lancet

 日本を含む世界13の国と地域の384地点で、1985~2012年の異常気温と死亡の関連を調べた結果、非至適温度による死亡は7.71%であり、その大半(7.29%)は低気温によるものであったことが明らかにされた。また、異常高温・低気温日の死亡への影響は中程度の異常気候による影響よりもかなり小さかったことも示された。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAntonio Gasparrini氏らによる報告で、「今回示されたエビデンスは、異常気温による健康への悪影響を最小とするための公衆衛生介入の立案に、またさらなる気候変動シナリオにおいて予測される影響に対して重要な示唆となる」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年5月20日号掲載の報告より。