内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:518

注意が必要な高齢者の昼寝

 睡眠障害は、高齢者で多く見られ、とくに認知症リスクのより高い高齢者に多く認められる。しかし、これまでに、日中の睡眠における臨床的、医療的および神経心理学的な相関は検討されてこなかった。オーストラリア・シドニー大学のNathan Cross氏らは、アクチグラフィーを使用し、高齢者(とくに認知症リスクを有する高齢者)における昼寝の特徴や効果を調査した。Journal of sleep research誌オンライン版2015年6月21日号の報告。

ピロリ菌に対する経口組み換え型ワクチンに関する第III相試験(解説:上村 直実 氏)-392

 胃潰瘍や十二指腸潰瘍および胃がんの最大要因であることが判明したピロリ菌に対する、経口組換え型ワクチンに関する大規模な第III相試験の結果が、中国から報告された。6~15歳の健康児童4,464例を対象とした、無作為化二重盲検プラセボ対照試験が行われた結果、接種後1年以内における新たなピロリ菌感染は、ワクチン摂取群2,199例中14例(0.63%)がプラセボ群2,204例中50例(2.24%)に比べて有意に低率であった。さらに、接種後3年間のワクチン摂取群の累積感染率(1.36%)もプラセボ群(3.86%)に比べて有意に低率であった。なお、獲得免疫評価に関する検討では、特異的な抗ウレアーゼBサブユニットの血清IgGと唾液中IgAの平均抗体価は、ベースラインでは両群で同等だったが、ワクチン接種後の3年時点までワクチン群が有意に高値であった。

喫煙でCKD患者の死亡リスクが大幅に上昇

 慢性腎臓病(CKD)と喫煙が心血管疾患に及ぼす複合的な影響度や性質については、ほとんど知られていない。これらを日本人集団で検討するために、北海道大学の中村 幸志氏らは、8コホート研究に登録された40~89歳の男性1万5,468人および女性1万9,154人のプール分析を行った。その結果、CKDと喫煙が重なると、全死因および心血管疾患による死亡リスクが大幅に上昇する可能性が示唆された。Kidney International誌オンライン版2015年7月22日号に掲載。

砂糖入り飲料、肥満に関係なく糖尿病リスク増加/BMJ

 砂糖入りの飲料を習慣的に飲用すると、肥満の有無とは無関係に2型糖尿病のリスクが上昇することが、英国・ケンブリッジ大学の今村 文昭氏らの調査で明らかとなった。砂糖入り飲料は肥満や2型糖尿病を増加させる可能性があり、人工甘味料入り飲料や果物ジュースによる代替が検討されているが、これらの飲料と2型糖尿病との関連は確立されていない。また、砂糖入り飲料の摂取に起因する2型糖尿病の発症状況も不明だという。BMJ誌オンライン版2015年7月21日号掲載の報告。

Ht値と脳卒中・冠動脈疾患リスクは関連する

 ヘマトクリット(Ht)値と循環器疾患(CVD)リスクの関連については、一貫した結果が得られていない。九州大学(現 九州医療センター)の後藤 聖司氏らは、一般的な日本人集団(久山町研究)において、Ht値と脳卒中および冠動脈疾患(CHD)発症との関連性を調査した。その結果、Ht値の増加および減少はどちらもCVDのリスク増加と関連していたが、Ht値の影響はCVDのサブタイプにより異なることが示唆された。Atherosclerosis誌オンライン版2015年7月10日号に掲載。

CVD予防のためのスタチン開始基準、費用対効果を検証/JAMA

 2013年11月、米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は、脂質異常症におけるスタチン治療の新ガイドラインを発表した。米国・ハーバード公衆衛生大学院のAnkur Pandya氏らは、心血管疾患(CVD)の1次予防における本ガイドラインの費用対効果プロフィールの検証を行った。新ガイドラインでは、LDLコレステロールの目標値を設定せず、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の10年リスク(≧7.5%)をスタチン治療導入の指標としているが、リスク判定に使用されるPooled Cohort Equationsは過大評価を引き起こす可能性があるため、実臨床で閾値の幅を広げた場合などに、不要な治療による甚大なコスト増大やスタチン誘発性糖尿病のリスク上昇の懸念があるという。JAMA誌2015年7月14日号掲載の報告。