内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:525

健康的な食事はCOPDリスクも減らす/BMJ

 先行研究で、食事の質を測る新たな代替健康食指数(Alternate Healthy Eating Index 2010:AHEI-2010)が、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患やがんのリスクに関連していることが報告されている。フランス・国立保健医学研究所(Inserm)のRaphaelle Varraso氏らは、米国人男女対象の前向きコホート研究を行い、同指数高値と慢性閉塞性肺疾患(COPD)リスク低下が関連することを明らかにした。AHEI-2010とは、全粒穀物、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、ナッツ、長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量が高く、赤身/加工肉、精製粉、甘味料入飲料の摂取量が低い食事を反映した健康食指数である。これまでCOPDリスクへの食事スコアの寄与については不明であったが、今回の結果を踏まえて著者は、「COPD予防には、多面的な介入プログラムが重要であることが支持された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年2月3日号掲載の報告。

長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに

 抗コリン作用を有する薬剤の累積使用量が多いほど、認知症およびアルツハイマー病の発症リスクが高まることが、米国・ワシントン大学のShelly L Gray氏らが行った前向き住民ベースコホート試験の結果、明らかにされた。抗コリン作用を有している薬剤は多い。これまでの検討で、抗コリン作用誘発性の認知障害は、抗コリン薬の中止により回復すると考えられている。一方で、抗コリン作用を有する薬剤が、認知症リスク増加と関連する可能性については、少数の検討しか行われていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「抗コリン薬の長期使用を最小限に抑えるため、薬剤に関連するリスクの可能性について医療関係者および高齢者の認識を高める努力が重要である」と指摘している。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2015年1月26日号の掲載報告。

Twitterの言葉で心疾患死亡リスクを予測

 敵意や慢性ストレスは心疾患の危険因子として知られているが、大規模な研究はコストがかかる。米国・ペンシルベニア大学のJohannes C Eichstaedt氏らは、アテローム硬化性心疾患による年齢調整死亡率についてコミュニティレベルにおける心理的な相関をみるため、Twitter上の言葉を評価した。その結果から、著者らは「ソーシャルメディアを通じてコミュニティの心理的特性を把握することは可能であり、これらの特性はコミュニティレベルでの心血管疾患死亡率の強いマーカーとなる」と結論している。Psychological science誌オンライン版2015年1月20日号に掲載。

閉経後体重の増減で骨折リスク部位異なる/BMJ

 閉経後の体重増加や減少は、骨折リスクを増大するようだ。また、体重増加と減少では骨折リスクの増加する部位が異なるという。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のCarolyn J. Crandall氏らが、女性の健康イニシアチブ観察・臨床試験(Women’s Health Initiative Observational Study and Clinical Trials)に参加した12万例超のデータを事後解析した結果、報告した。BMJ誌オンライン版2015年1月27日号掲載の報告より。

血液透析患者は「肉・魚・野菜」をバランスよく

 血液透析患者の実際の食事パターンと臨床転帰との関連性については、ほとんど知られていない。九州大学の鶴屋 和彦氏らは、わが国の血液透析患者における食事パターンを特定し、臨床転帰との関連を調べた。その結果、肉・魚・野菜のバランスが悪い食事(肉・魚に比べて野菜の摂取量がかなり多い)は重大な臨床転帰と関連していた。この結果から著者らは「血液透析患者は食物摂取の制限だけではなく、この3群についてバランスのよい食事をするように努力すべきであることを示している」と指摘した。PLoS One誌2015年1月21日号に掲載。

日本人のイソフラボン摂取と胃がんの関係

 大豆イソフラボン摂取による胃がんの進行阻害を示唆する実験的研究がいくつかあるが、先行の疫学的研究ではこれと矛盾する結果が出ている。岐阜大学の和田 恵子氏らは、わが国の集団ベースの前向きコホート研究(高山スタディ)で、塩分摂取量を含むいくつかのライフスタイル因子を考慮したうえで、大豆やイソフラボンの摂取量と胃がん発症率の関連を検討した。その結果、大豆イソフラボン(主に非発酵大豆食品)の高摂取が胃がんの予防につながる可能性が示唆された。International journal of cancer誌オンライン版2015年1月14日号に掲載。

食道がんリスクが高い職業

 食道がんに、職業リスクは関係するのか。スウェーデン・カロリンスカ研究所のCatarina Jansson氏らは、長期フォローアップによる大規模コホート研究であるthe Nordic Occupational Cancer Study(職業がん研究プロジェクト)を基に、その関連性を検討した。その結果、男女共、ウエーターと食品業従事者でリスクが高く、教師でリスクが低いことを報告した。International journal of cancer. Journal international du cancer誌オンライン版2014年12月29日号の掲載報告。

市中肺炎入院患者、ステロイド追加で早期回復/Lancet

 入院を要する市中肺炎患者の治療において、プレドニゾンの7日間投与による補助療法を行うと、臨床的安定の達成までの期間が有意に短縮することが、スイス・バーゼル大学病院のClaudine Angela Blum氏らの検討で示された。市中肺炎では、血中への炎症性サイトカインの過剰放出により肺機能障害が引き起こされるが、ステロイドは全身性の炎症過程を抑制し、さらに肺炎球菌性肺炎に対する効果も確認されている。一方、ステロイド補助療法のベネフィットに関する議論は1950年代から続いているが、最近の臨床試験の結果は相反するものだという。Lancet誌オンライン版2015年1月18日号掲載の報告。