神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:102

脂肪摂取と認知症リスクに関するメタ解析

 疫学研究によると、食事による脂肪摂取は、アルツハイマー病(AD)や認知症リスクと関連しているが、この関連性は明確になっていない。中国・浙江大学のYue Ruan氏らは、脂肪摂取とADや認知症リスクとの関連をシステマティックに調査するため、メタ解析を行った。Current Alzheimer research誌オンライン版2018年4月27日号の報告。

認知症を除外できない?高齢者の新運転免許制度

 多発する高齢ドライバーによる事故を防ぐため、2017年3月の道路交通法改正で75歳以上の運転免許更新の手続きが変更になったが、新制度でも認知症の高齢者を必ずしもスクリーニングできていない―。八千代病院認知症疾患医療センターの川畑信也氏は、5月25日~27日大阪で開催された日本抗加齢医学会の「自動車運転の現在と未来」と題したシンポジウムで、こうした問題提起を行った。

軽~中等度認知症への運動介入、進行遅延効果はなし?/BMJ

 軽度~中等度認知症に対する、中~高強度の有酸素運動と筋力トレーニングのプログラムの介入には、認知障害の進行を遅らせる効果はないことが、英国・オックスフォード大学のSarah E. Lamb氏らによる無作為化試験「Dementia And Physical Activity:DAPA試験」の結果で示された。筋トレのプログラムで体力の改善は認められたが、その他の臨床的アウトカムの明らかな改善は認められなかったという。認知症者の認知低下の遅延に果たす運動の役割について、これまで臨床に反映できる十分な規模と方法論に基づく無作為化試験は行われていなかった。BMJ誌2018年5月16日号掲載の報告。

認知症に対する運動介入の息の根が止められたのか?(解説:岡村毅氏)-859

非常に大規模に、そしてほかの要因が交絡しないように厳密に、運動介入が認知症の人の認知機能に及ぼす効果を調べたら、なんと効果がないどころか通常のケアに負けたという報告である。通常のケアより優位であったのは「一定時間内に歩く距離」というのも微妙だ。1年も激しく運動すれば足は鍛えられるだろう。

軽度~中等度のアルツハイマー病患者における急速な認知機能低下の予測因子

 アルツハイマー病(AD)は、治療や予防手段がなく、進行を遅らせる方法が証明されていない疾患である。ADは、あまり知られていないさまざまな因子に起因する認知機能悪化と関連している。フランス・リモージュ大学のAchille E. Tchalla氏らは、高齢者のAD患者における急速な認知機能低下に関連する要因について検討を行った。Dementia and geriatric cognitive disorders誌オンライン版2018年4月23日号の報告。

心房細動、サイナスになっても 脳梗塞リスク 高いまま/BMJ

 正常洞調律を取り戻し回復した状態(resolved)であると診断された心房細動(AF)患者について、非AF患者と比べると、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)のリスクは有意に高いままであることが、英国・バーミンガム大学のNicola J. Adderley氏らによる、同国の一般診療所(GP)で集められたデータを用いた後ろ向きコホート研究の結果、明らかにされた。リスクの増大は、再発の記録がなかった患者でも認められたという。AFは明らかな回復後も再発の可能性があるが、そのような患者で脳卒中/TIAリスクの増大が認められるのかは明らかになっておらず、ガイドラインでも、同患者に関する治療は明示されていない。BMJ誌2018年5月9日号掲載の報告。

8種類の抗てんかん薬における主要な先天性奇形リスク比較のコホート研究

 抗てんかん薬による催奇形リスクを比較したエビデンスは不十分であり、とくに投与量に関連したエビデンスが不足している。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のTorbjorn Tomson氏らは、抗てんかん薬の先天性奇形の発症頻度を比較するため、単剤療法で最も一般的に使用される8種類の抗てんかん薬について検討を行った。The Lancet. Neurology誌オンライン版2018年4月18日号の報告。