神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:100

日本人の学歴・職歴と認知症の関連に糖尿病は関与するか

 欧米では、低い社会経済的地位(SES)と認知症との関連は生活習慣病(糖尿病)を介すると報告されている。しかし、わが国では低SESと認知症の関連は研究されていない。今回、敦賀看護大学(福井県)の中堀 伸枝氏らの研究から、低SESと認知症の間のメディエーターとして、生活習慣病の役割はきわめて小さいことが示唆された。BMC Geriatrics誌2018年4月27日号に掲載。

術後せん妄を経験した大腿骨頚部骨折患者の認知症発症リスク

 術後せん妄が、股関節部の骨折患者の認知症発症率にどの程度影響を及ぼすかは不明であり、せん妄や認知症の検出方法については検証が必要とされている。スウェーデン・ウメオ大学のB. Olofsson氏らは、大腿骨頚部骨折手術後3年以内の認知症発症について、潜在的な予測因子として術後せん妄に焦点を当て、調査を行った。International journal of geriatric psychiatry誌2018年4月号の報告。

ギラン・バレー症候群の治療に新たな光-千葉大の研究-

 ギラン・バレー症候群は、手足のしびれ・麻痺を急速に生じる末梢神経の病気で、先進国で最も多い急性四肢麻痺の原因だ。日本でも年間約1,400人が発症する。しかし、25年以上にわたり、有効性を示すギラン・バレー症候群の新たな治療法の報告はなく、難病とされてきた。  今回、千葉大学医学部附属病院 神経内科教授の桑原 聡氏らの研究グループは、ギラン・バレー症候群の患者への臨床試験を行い、薬剤「エクリズマブ」の有効性を世界で初めて示した(Lancet Neurology誌オンライン版2018年4月20日号に掲載)。ギラン・バレー症候群の治療については、1992年に免疫グロブリン療法の有効性がオランダから報告されて以来の進展で、日本から新規治療の可能性を示すことができたのは、今回が初。

全身麻酔と認知症リスクに関するコホート研究

 全身麻酔が認知症リスクを増加させる可能性があることについて、関心が高まっている。しかし、麻酔とその後の認知症との関連については、まだよくわかっていない。韓国・翰林大学校のClara Tammy Kim氏らは、全身麻酔実施後に認知症リスクが増加するかについて検討を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年3月29日号の報告。

米国の長期介護における向精神薬を使用した認知症ケア改善に関する研究

 養護老人施設における認知症ケア改善のための、メディケアおよびメディケイド・サービスセンター(CMS)国家パートナーシップ(以下、パートナーシップ)は、抗精神病薬の処方の割合を測定し、認知症者のケアの質を向上させるために設立された。米国・ミシガン大学のDonovan T. Maust氏らは、長期介護を受ける高齢者への抗精神病薬および他の向精神薬の処方傾向とパートナーシップとの関連について検討を行った。JAMA internal medicine誌オンライン版2018年3月17日号の報告。

多発性硬化症の症状は個人差が大きく確定診断まで約3年を待つ

 2018年3月29日、バイオジェン・ジャパン株式会社とエーザイ株式会社は、多発性硬化症に関するメディアセミナーを都内で共同開催した。セミナーでは、女性に多い本症について、疾患概要だけでなく、女性視点から闘病への悩みなども取り上げられた。  セミナーでは、清水 優子氏(東京女子医科大学病院 神経内科 准教授)を講師に迎え、「多発性硬化症の治療選択-女性患者のアンメットニーズとライフステージ」をテーマに講演が行われた。