神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:99

認知症における抗コリン薬負荷と脳卒中や死亡リスクとの関連

 認知症における抗コリン薬負荷は、認知機能障害および認知機能低下と関連している。しかし、これまでの研究では、脳卒中などの重大な有害アウトカムに対する抗コリン薬の影響については検討されていなかった。スウェーデン・ストックホルム大学のEdwin C. K. Tan氏らは、各認知症サブタイプにおける抗コリン薬の認知負荷(ACB:anticholinergic cognitive burden)と脳卒中や死亡リスクとの関連について調査を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2018年7月21日号の報告。

高齢者施設の疥癬、古典的記述が通じない

 英国の老人ホームや介護施設では疥癬の発生がよくみられるが、診断が遅れやすく、制御するのが困難である。老人ホームにおける疥癬の臨床症状は、臨床医になじみがある古典的記述とは異なることを、英国・ブライトン・サセックスメディカルスクールのJackie A. Cassell氏らが明らかにした。著者は、「この違いには、高齢者という脆弱な集団における、認識の遅れと最適状態には及ばない管理がおそらく関与している」と述べたうえで、「ダーモスコピーと顕微鏡検査はほとんど役に立たなかった。高齢者、とくに認知症を持つ人々は、疥癬の症状に対する訴え方が記述とは異なることを医療スタッフが認識し、徹底的な検査を行うべきである」とまとめている。Lancet Infectious Diseases誌2018年8月号掲載の報告。

日本人アルツハイマー病患者に対する長期ドネペジル投与の病態変化と安全性

 アルツハイマー病(AD)患者における、ドネペジル塩酸塩の長期かつ大規模な研究(J-GOLD試験)が実施された。順天堂大学の新井 平伊氏らによる本研究では、これまで2つの中間報告が行われていたが、研究結果の分析が完了し最終報告が行われた。Psychogeriatrics誌オンライン版2018年7月11日号の報告。

心房細動患者の認知症発症、降圧薬やワルファリンで2割減

 1万例以上の心房細動患者を対象とした研究で、サイアザイド/レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)阻害薬併用などの降圧薬処方やワルファリン使用が、認知症発症率の低下と関連していたことをスウェーデン・カロリンスカ研究所のPer Wandell氏らが報告した。International Journal of Cardiology誌オンライン版2018年7月21日号に掲載。

30~50代で非飲酒でも認知症リスク上昇/BMJ

 中年期に飲酒しなかった集団および中年期以降に過度な飲酒を続けた集団は、飲酒量が適度な場合に比べ認知症のリスクが高まることが、フランス・パリ・サクレー大学のSeverine Sabia氏らが行った「Whitehall II試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年8月1日号に掲載された。非飲酒と過度な飲酒は、いずれも認知機能に有害な影響を及ぼすとされるが、認知症の発症予防や遅延に関する現行のガイドラインには、エビデンスが頑健ではないため、過度の飲酒は含まれていないという。また、研究の多くは、老年期のアルコール摂取を検討しているため生涯の飲酒量を反映しない可能性があり、面接評価で認知機能を検討した研究では選択バイアスが働いている可能性があるため、結果の不一致が生じている。

非常に高度なアルツハイマー病に対する抗認知症薬の有効性

 高度なアルツハイマー病(AD)において、抗認知症薬(ADD)の処方をいつまで行うべきかに関するエビデンスは、不十分である。韓国・釜山大学病院のYun Jeong Hong氏らは、ドネペジルまたはメマンチンが処方されている非常に高度なAD患者において、継続治療から得られるベネフィットについて調査を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌2018年号の報告。

パーキンソン病の病因は腸か!?

 2018年7月24日、武田薬品工業株式会社は、都内においてパーキンソン病治療薬ラサギリン(商品名:アジレクト)の発売を期し、「~高齢化社会により患者数が増加している神経変性疾患~ パーキンソン病の病態・治療変遷」をテーマに本症に関するプレスセミナーを開催した。セミナーでは、本症の概要、最新の研究状況、「パーキンソン病診療ガイドライン2018」の内容が紹介された。

小児期のストレスと将来の認知症発症との関連

 小児期の環境と晩年の慢性疾患との関連を分析するライフコース研究は、あまり行われていない。とくに、認知症の早期予測を可能とする研究はほとんど存在しない。東フィンランド大学のGwendolyn A. R. Donley氏らは、小児期のストレスと将来の認知症(とくにアルツハイマー病[AD])との関連について検討を行った。European Journal of Public Health誌オンライン版2018年7月17日号の報告。

50歳以上の帯状疱疹はワクチンで予防

 2018年7月19日から3日間、都内で日本ペインクリニック学会 第52回大会「あなたの想いが未来のペインクリニックを創る-専門性と多様性への挑戦-」が開催された。本稿では、7月20日のシンポジウム「帯状疱疹関連痛の治療、予防の未来を考える」から、木村 嘉之氏(獨協医科大学 麻酔科学講座 准教授)が発表した「帯状疱疹関連痛の疫学と予防」について、概要を紹介する。

高齢高血圧患者での起立性低血圧と認知症リスク

 起立性低血圧(OH)が認知症発症リスク増加と関連することが系統的レビューで示唆されたが、最も高リスクの超高齢高血圧患者ではデータが限られている。今回、オーストラリア・Neuroscience Research AustraliaのRuth Peters氏らが80歳以上の高血圧患者において調査した結果、OHは認知症や認知機能低下リスク増加と関連することが示された。European heart journal誌オンライン版2018年7月24日号に掲載。