神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:149

脳卒中に対するrtPA、臨床でも時間依存的有効性を確認/BMJ

 脳卒中に対する遺伝子組換え組織型プラスミノーゲン活性化因子(rtPA)療法の時間依存的有効性について、ドイツの大規模脳卒中レジストリデータの後ろ向き解析の結果と、無作為化試験プール解析で示されている結果を比較した結果、類似していることが示された。同国ハイデルベルク大学のChristoph Gumbinger氏らによる報告で、著者は、「臨床でも早期のrtPA療法が良好な転帰と関連しているようであった。入院中または救急搬送時におけるrtPA療法を、早期に開始することの重要性を強調するものである」とまとめている。無作為化試験のプール解析の結果では、rtPA療法開始時間について、リスクベネフィットの境界時間は発症から最長4.5時間であることが示されていた。しかし無作為化試験は一部の患者を対象としたものであり、臨床に一般化して適用できるのかについては確認されていなかった。BMJ誌オンライン版2014年5月30日号掲載の報告より。

日本発!牛乳・乳製品を多く摂るほど認知症リスクが低下:久山町研究

 海外の追跡研究では、地中海式食事法がアルツハイマー病のリスクを減少させるという報告がみられ、乳製品の摂取は控えめがよいとされている。しかし、久山町研究では、大豆・豆製品および牛乳・乳製品の摂取量が多い食事パターンと認知症予防との関連が報告されている。このうち、牛乳・乳製品の認知症予防に対する効果を検討するため、九州大学の小澤 未央氏らは、高齢の日本人集団での認知症発症における牛乳・乳製品の摂取の効果を検討した。その結果、牛乳や乳製品の摂取量が多いほど、認知症とくにアルツハイマー病のリスクが低下することが認められた。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版6月10日号掲載。

抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学

 大阪大学の喜多 祐紀氏らは、ガランタミンによる神経新生促進メカニズムについて、マウスを用いて検討した。その結果、ガランタミンはM1ムスカリン受容体およびα7ニコチン性アセチルコリン受容体を介して、神経新生を促進している可能性が示唆されたことを報告した。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年5月12日号の掲載報告。

健康的なライフスタイルで脳卒中発症が3分の2に

 独・ハイデルベルク大学のKaja Tikk氏らは、欧州の前向き研究であるがん栄養調査(EPIC)のハイデルベルクコホートを分析し、ライフスタイルでの脳卒中の主な危険因子について、中年男女における一次予防の可能性を評価した。その結果、過体重、喫煙、多量飲酒、不健康な食事、運動不足を避けることが脳卒中の強力な一次予防になる可能性が確認された。Stroke誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。

緑茶が認知機能低下リスクを減少~日本の前向き研究

 高齢者における認知症や軽度認知障害(MCI)の発症に、緑茶・コーヒー・紅茶の摂取が影響を与えるのか――。金沢大学神経内科の山田正仁氏、篠原もえ子氏らの研究グループは、石川県七尾市中島町での「なかじまプロジェクト」において、60歳超の地域住民の集団ベースによる前向き研究を実施した。その結果、緑茶をまったく飲まない群と比べて、緑茶を週に1~6回飲む群では約5年後の認知機能低下リスクが約1/2に、緑茶を毎日1杯以上飲む群では約1/3に減少した。一方、コーヒーや紅茶ではこのような認知機能低下との関連はみられなかった。PLoS One誌2014年5月14日号の掲載報告。

薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義を検証

 薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義が、国際抗てんかん連盟(International League Against Epilepsy:ILAE)より最近発表された。これまで、同定義のコンセンサスは得られているものの、適用性に関する臨床的および探求的な検討は行われていなかった。カナダ・サスカチュワン大学のJose F. Tellez-Zenteno氏らは、同定義について、臨床集団を対象とした信頼性および妥当性についての初となる検証を行った。その結果、従来定義と比べても遜色なく、普遍的な臨床的重要性を有するものであったと報告している。Epilepsia誌オンライン版2014年5月14日号の掲載報告。

認知症への新規抗精神病薬、有害事象のモニタリングが不十分

 米国・アーカンソー大学のDinesh Mittal氏らは、新規抗精神病薬の服用を開始した高齢者認知症における代謝系有害事象を検討するため、米国退役軍人省のデータを用いて後ろ向きコホート解析を行った。その結果、精神障害のない認知症患者、認知症のない精神障害患者ともに、代謝系有害事象について十分なモニタリングが行われていない状況が明らかになったことを報告した。Psychiatric Services誌オンライン版2013年5月15日号の掲載報告。