脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:101

急性脳梗塞、rt-PA後の転帰を予測する臨床・画像所見は/JAMA

 急性虚血性脳卒中患者において、血栓部位がより末梢で、残存血流量が多く、再開通評価までの時間が長いほうが、アルテプラーゼ(rt-PA)静脈投与後の動脈閉塞再開通と関連することが確認された。rt-PAの投与を受けていない患者では、動脈再開通率は低値であった。カナダ・カルガリー大学のBijoy K. Menon氏らによる、多施設共同前向きコホート研究「INTERRSeCT研究」の結果で、著者は「これらの結果は、急性虚血性脳卒中患者の治療とトリアージの際に役立つ可能性がある」と述べている。脳血栓の再開通は急性虚血性脳卒中患者の臨床転帰の改善と関連しており、rt-PA静注療法と血栓特性、再開通時間との関連は脳卒中トリアージと今後の研究デザインにとって重要であるが、rt-PA静注療法による再開通率を検証したこれまでの研究は、症例数や試験デザイン、評価法などに限界があった。JAMA誌2018年9月11日号掲載の報告。

乳製品摂取増加が死亡・心血管リスク低下と関連/Lancet

 低・中所得国21ヵ国を対象とした多様な多国籍コホート研究において、乳製品の摂取が、死亡および主要心血管疾患イベントの低下と関連することが明らかにされた。カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、Lancet誌オンライン版2018年9月11日号で発表した。全脂肪乳製品は飽和脂肪の源であり、血液脂質に悪影響を与え、心血管疾患や死亡を増大すると思われているが、この懸念に関するエビデンスは弱く、また、これまで低所得国および中所得国の健康への乳製品消費の影響に関するデータはほとんど入手できていなかったという。

『減塩パラドックス』Revisit! Populationか、Communityか、Individualか?(解説:石上友章氏)-920

カナダ・マックマスター大学のAndrew Mente氏らの論文。PURE試験の臨床アウトカムと、推定食塩摂取量・推定カリウム摂取量との関連を解析した研究である。食塩の過剰摂取は、高血圧のリスクになり、ひいては心血管イベントのリスクになると信じられているが、本試験の結果は必ずしも定説を支持するものではなかった。顧みれば、本連載(90)の否定された『減塩パラドックス』―降圧の基本は、やはり減塩。での議論が、再び蒸し返されるような事態になるかもしれない。

日本人高齢者のライフスタイル活動と認知症リスク

 高齢化や慢性疾患状態の増加に伴い、認知症の有病率は上昇している。国立長寿医療研究センターの島田 裕之氏らは、日本の地域在住の高齢者における、日常生活や社会的役割を含むライフスタイル活動と認知症発症との関連について調査を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2018年8月21日号の報告。

やはり優れたアスピリン!(解説:後藤信哉氏)-915

心筋梗塞後などの2次予防におけるアスピリンの有効性、安全性は確立されている。血栓イベントリスクの低い1次予防の症例群一般では、アスピリンのメリットはデメリットに勝るとはいえない。しかし、1次予防の症例群でもアスピリンの服用による心血管イベントリスクの低減効果は確立されている。多忙な医師は心血管イベントリスクも高いので、アスピリン服薬による心血管死亡率の低減効果が注目された時代もあった。

アスピリンは、糖尿病患者にとって有益か有害か/NEJM

 アスピリンは、糖尿病患者において重篤な血管イベントを予防するが、大出血イベントの原因にもなることが、英国・オックスフォード大学のLouise Bowman氏らが行ったASCEND試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年8月26日号に掲載された。糖尿病により、心血管イベントのリスクが増加する。アスピリンは、閉塞性血管イベントのリスクを抑制するが、糖尿病患者の初回心血管イベントの予防におけるその有益性と有害性のバランスは不明とされる。

ω-3脂肪酸、糖尿病患者の重篤な血管イベント抑制に効果?/NEJM

 糖尿病患者にω-3脂肪酸の栄養補助を行っても、重篤な血管イベントのリスクは、プラセボに比べ改善しないことが、英国・オックスフォード大学のLouise Bowman氏らが実施したASCEND試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年8月26日号に掲載された。観察研究では、ω-3脂肪酸の摂取量の増加にともない、心血管疾患のリスクが低減することが報告されているが、これまでに、この知見を確証した無作為化試験はなかった。また、ω-3脂肪酸の栄養補助が、糖尿病患者の心血管リスクに便益をもたらすかは不明とされる。

80歳以上の高齢者、朝の家庭血圧と脳卒中が相関~J-HOP研究

 自治医科大学の苅尾 七臣氏らによるJ-HOP研究において、80歳以上の日本人の家庭血圧と心血管イベントとの関連を検討したところ、早朝家庭血圧が心血管イベント、とくに脳卒中で正の線形関連を示した。この関連は診察室血圧または就寝前家庭血圧では観察されなかった。American Journal of Hypertension誌オンライン版2018年9月5日号に掲載。

地方病院の認知症やせん妄患者に対するボランティア介入が再入院率に及ぼす影響

 地方の急性期病院における、認知症、せん妄、せん妄リスクを有する患者に対するパーソン・センタード(person-centered)のボランティアプログラムが臨床アウトカムに及ぼす影響について、オーストラリア・Southern NSW Local Health DistrictのAnnaliese Blair氏らが検討を行った。International Psychogeriatrics誌オンライン版2018年8月13日号の報告。