長期PPI使用と認知症リスク 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/04/05 プロトンポンプ阻害薬(PPI)と認知症リスクの潜在的な関連性については、相反するデータが報告されている。台湾・国立台湾大学のShih-Tsung Huang氏らは、高齢者におけるPPI使用とその後の認知症リスクの関連について検討を行った。Clinical Pharmacology and Therapeutics誌オンライン版2019年3月12日号の報告。 混合軌跡モデリング(group-based trajectory modeling)を用いて、3年以上の長期PPI使用に関して異なるグループを特定し、5年のフォローアップ期間におけるPPI使用と認知症との関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・PPIを使用した高齢者1万533例を、短期使用群(7,406例、70.3%)、断続使用群(1,528例、14.5%)、長期使用群(1,599例、15.2%)の3群に分類した。 ・短期使用群と比較し、長期使用群(HR:0.99、95%CI:0.93~1.17)および断続使用群(HR:0.91、95%CI:0.76~1.09)では、認知症発症リスク増加との関連は認められなかった。 ・PPIの使用パターンにかかわらず、平均4年のフォローアップ期間中における有意な認知症リスク増加は認められなかった。 ■関連記事 ベンゾジアゼピン使用と認知症リスク 長期ベンゾジアゼピン使用者における認知症リスク~メタ解析 軽度アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬のベネフィット (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Huang ST, et al. Clin Pharmacol Ther. 2019 Mar 12. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 PPI服用、心血管疾患・CKD・上部消化管がんの過剰死亡と関連か/BMJ ジャーナル四天王(2019/06/19) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.安部の皮膚科クイズ 初級編(2019/07/15) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察(2019/05/15) J-COSMO(ジェイ・コスモ)Vol.1 No.1(2019/04/17) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 (2019/01/15) Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡 (2018/12/15)