日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1097

高リスク早期子宮内膜癌に対する術後放射線外部照射にベネフィットはあるか?:ASTEC/EN.5試験

中等度~高リスクの早期子宮内膜癌では、生存率の改善を目的に術後放射線外部照射をルーチンに行う治療法は推奨されないことが、ASTEC試験およびEN.5試験の系統的レビューとメタ解析によって明らかとなった。ASTEC試験はイギリス医療審議会(MRC)が、EN.5試験はカナダ国立がん研究所(NCIC)が別個に実施した国際的な大規模臨床試験である。Lancet誌2009年1月10日号(オンライン版2008年12月13日号)掲載の報告。

系統的骨盤内リンパ節郭清術は早期子宮内膜癌の生存率を改善するか?:ASTEC試験

早期子宮内膜癌に対しては、標準治療に加えて系統的骨盤内リンパ節郭清術を施行しても生存率の改善効果は得られないことが、イギリスManchester大学のH Kitchener氏らが実施したASTEC試験で明らかとなった。イギリスでは毎年約6,400人が子宮内膜癌に罹患しており、EU全体では約8万1,500人、北米では約4万100人に達する。その90%以上が50歳以上、年齢中央値は63歳であり、イギリスに限ると高齢者で増加傾向にあるという。Lancet誌2009年1月10日号(オンライン版2008 年12月13日号)掲載の報告。

喘息治療配合剤「アドエア」、小児の気管支喘息とCOPDの適応追加 

グラクソ・スミスクライン株式会社は、1月21日付で喘息治療配合剤「アドエア」(一般名:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)について、小児気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の適応追加の承認、さらに剤型追加としてエアゾール剤の製造販売承認を取得したと発表した。

発症後期間を経ている2型糖尿病患者に対する強化血糖コントロール

コントロール不良の2型糖尿病患者に強化血糖コントロールを行っても、心血管イベント、死亡、細小血管合併症の発生率に有意な影響は認められなかったことが、米国退役軍人糖尿病研究(VADT)の結果として報告された。強化血糖コントロールの心血管イベントに及ぼす影響について、これまで2型糖尿病を発症してからの時間を経ている患者に関しては明らかにされていなかった。NEJM誌2009年1月8日号(オンライン版2008年12月17日号)より。

妊娠39週未満の選択的反復帝王切開の頻度は高いがリスクも増大

新生児の呼吸器合併症発生率が上昇することから、妊娠39週前の選択的帝王切開は胎児の肺熟成が確認されない限り推奨されていない。また反復帝王切開自体もリスクが高いが、正期産(37週以降)妊娠39週未満での選択的反復帝王切開はよく行われており、呼吸器合併症やその他の有害転帰の発生率と関連していることが、アラバマ大学(米国)産婦人科部門のAlan T.N. Tita氏らによって明らかにされた。NEJM誌2009年1月8日号より。

進行パーキンソン病への両側脳深部刺激療法、薬物治療よりも有効

進行パーキンソン病への両側脳深部刺激療法は、薬物治療よりも、6ヵ月後の運動機能や生活の質(QOL)の改善に効果があることが、70歳以上の被験者を含む試験で明らかにされた。これまでの研究の多くが、被験者に高齢の患者を含んでいなかった。ただし深刻な有害作用の発生率が、両側脳深部刺激療法のほうが高かったとも報告されている。これは、米国Hines VA HospitalのFrances M. Weaver氏らの研究で明らかになったもので、JAMA誌2009年1月7日号で発表された。

ビタミンE・Cの服用、男性の前立腺がんやがん全体の発症予防に効果みられず

ビタミンEやCの服用は、男性の前立腺がんやがん全体の発症リスクを減少することはないようだ。がんなどの慢性病予防の効果を期待してビタミンEやCを服用する人は少なくないが、そうした期待とは裏腹の大規模試験の結果が出た。これは、米ハーバード大学のJ. Michael Gaziano氏らが、約1万5千人の男性医師を対象に行った「Physicians’ Health Study II」の研究結果で、JAMA誌2009年1月7日号(オンライン版2008年12月9日号)で発表した。

セプラフィルムにカット済み4枚入りパックが追加

 科研製薬株式会社は15日、特定保険医療材料として認められている癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」の新材形として、がん手術などで、骨盤腔の奥までいれやすく片手で操作がしやすいサイズにカットした「セプラフィルム(ONC プロシージャ パック)」を1月19日より発売すると発表した。

「レッドツェッペリン病」?:やっぱりヘビメタは脳によくない

ヘッドバンギングはヘビーメタルやハードロック音楽の一般的なダンス形式で、ビートにあわせて頭部を激しく振る行為を繰り返す。そのテンポが激しいと頭頸部傷害のリスクが増大することが、オーストラリアNew South Wales大学Risk and Safety ScienceのDeclan Patton氏らの調査で明らかとなった。同氏は、この知見に基づいて、ヘビメタファンが普段ぼんやりしていたり、でたらめなことを口にする原因を説明できるとし、脳傷害のリスクを最小限にする対策を提言している。BMJ誌2008年12月20日号(クリスマス特集号)掲載(オンライン版2008年12月17日号)の報告。