HATCH scoreは、カテーテルアブレーション後の心房細動再発の予測因子とはなりえないことが示された。HATCH scoreは、発作性心房細動の持続性への進展予測因子として知られている。今回の研究では、HATCH scoreがカテーテルアブレーション後の再発を予測する因子となるか検討された。中国のTang RB氏らによる報告(Chin Med J誌2012年10月号掲載)。
対象は、発作性心房細動に拡大肺静脈アブレーションを施行された488例。そのうちHATCH score 0が250例(51.2%)、1が185例(37.9%)、≧2が53例(10.9%)であった(score2以上の内訳は、2、3、4の順に 28、23、2例)。これらの症例をレトロスペクティブに解析した。平均追跡期間は823±532日。
主な結果は以下のとおり。
・平均追跡期間後の再発率は、HATCH score=0、1、≧2の順に 36.4%、37.8%、 28.3%(p=0.498)であった。
・HATCH score≧2 は、左心房サイズが有意に大きく、最大の左室収縮末期径、最低の駆出率となった。
・単変量解析の結果、左心房サイズ、BMI、拡大肺静脈アブレーションの失敗が心房細動再発の予測因子となった。
・BMI、LAサイズ、PV単離の補正後多変量解析の結果、HATCH scoreは再発の独立した予測因子とはならなかった(HR 0.92、 95%CI:0.76~1.12、 p=0.406)。
(ケアネット 鈴木 渉)