疥癬治療の有効性について、局所イベルメクチン*とマラチオン0.5%ローションを比較した結果、2週時点では同様の効果があることが示され、治療を繰り返して追跡した4週時点ではイベルメクチンのほうが優れていたことが示された。イタリア・ローマ大学のMohamad Goldust氏らが340例の疥癬患者を対象とした無作為化試験の結果、報告した。疥癬治療については種々の薬物療法があるが、治療選択については依然として議論の的となっている。Goldust氏らは本検討において、局所イベルメクチンとマラチオン0.5%ローションの有効性を比較することを目的とした。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2013年3月8日号の掲載報告。
研究グループは、疥癬患者340例を登録し、無作為に2群に割り付けた。第1群にはイベルメクチン1%局所塗布となる治療を、第2群にはマラチオン0.5%ローションの治療を行った。各被験者は、同治療を1週間隔で2回行うよう伝えられた。
治療の評価は、2週時点と4週時点で行われた。2週時点で治療が奏功しなかった場合は再度の治療が行われた。
主な結果は以下のとおり。
・局所イベルメクチンの2回塗布(2週時点)の治癒率は、67.6%であった。再治療後の4週時点の治癒率は、85.2%まで上昇した。
・マラチオン0.5%ローションの2回塗布(2週時点)は、44.1%の患者で有効であった。再治療後の4週時点は、67.6%であった。
・2週時点において、局所イベルメクチンの2回塗布は、マラチオン0.5%ローション単回治療と同様の効果が認められた。
・再治療後の4週時点では、局所イベルメクチン治療がマラチオン0.5%ローション治療より優れていた。
*商品名:ストロメクトール。本邦では錠剤のみ承認販売
(ケアネット)