血管柄付き骨移植術(VBG)は、進行期のキーンベック病に対する治療法の一つであるが、この治療法の長期予後に関する報告はほとんどなかった。日本・京都府立医科大学講師の藤原浩芳氏らは、VBGを施行したキーンベック病患者を10年以上追跡し、長期予後は良好であることを報告した。The Journal of Hand Surgery誌2013年5月号(オンライン版2013年4月2日号)の掲載報告。
キーンベック病予後の平均追跡期間は12年3ヵ月
本研究の目的は、Lichtman分類StageIIIのキーンベック病患者をVBG後10年追跡し、長期予後を評価することであった。
対象は、1996年から2001年の間にVBGを施行した進行期キーンベック病患者18例(Lichtman分類Stage III A 10例、Stage III B 8例)で、少なくとも10年間追跡調査した。
中手骨基部からの移植が11例、橈骨遠位部からの移植が7例であり、StageIII Bの8例のうち、5例に橈骨短縮術を、2例に有頭骨短縮術を併用した。
VBGを施行したキーンベック病患者の長期予後を評価した主な結果は以下のとおり。
・平均追跡期間は、12年3ヵ月であった。
・治療成績はMayo Modified Wrist Scoreで、「excellent」8例、「good」7例、「fair」3例であった。
・Stahl indexおよびcarpal height ratioは、血管柄付き骨移植術単独のStageIII A患者では改善しなかったが、短縮術を併用したStageIII B患者では、有意な改善が認められた。
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(ケアネット)