慢性疼痛に対し認知行動療法をベースにした疼痛自己管理プログラムが有効

提供元:ケアネット

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公開日:2013/06/28

 

 慢性疼痛に対してしばしば認知行動療法が行われているが、オーストラリア・シドニー大学のMichael K. Nicholas氏らは、認知行動療法をベースとした疼痛自己管理(pain self-management:PSM)プログラムが高齢の慢性疼痛患者において、少なくとも短期的には有効であることを無作為化試験により明らかにした。Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年2月26日号)の掲載報告。

 慢性疼痛を有する65歳超の高齢者141例を対象に、認知行動療法および運動を用いた外来患者用PSMプログラムの効果を、運動-注意制御(Exercise-Attention Control:EAC)群および通常ケア群と比較した。

 評価には、ローランド-モリス障害質問票(RMDQ)、うつ病・不安ストレススケール(DASS)、運動恐怖に関する評価スケール(TSK)、痛み自己効力質問票(PSEQ)などを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・治療直後、PSM群ではEAC群と比較して苦痛、障害、気分、無用な痛み思考およびファンクショナルリーチが有意に改善した(効果量:平均値0.52、範囲0.44~0.68)。
・1ヵ月後においても、PSM群ではEAC群に比べほとんどの評価項目が良好であった。
・1ヵ月後、通常ケア群と比較し、PSM群では苦痛、障害および無用な痛み思考の有意な改善(効果量:平均値0.69、範囲0.56~0.83)を認めたが、EAC群ではすべての評価項目において有意差はみられなかった。
・PSM群において、1ヵ月後に全評価項目が確実に改善した患者の割合が41%で、他の2群の約2倍にのぼり、統計学的に有意差が認められた。
・同様に、疼痛障害に関して臨床的に重要な改善が得られた患者の割合は、PSM群44%、EAC群22%、通常ケア群20%で、PSM群が有意に高かった。

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(ケアネット)