足白癬患者の靴下、洗濯水は何℃が望ましいか

提供元:ケアネット

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公開日:2013/08/12

 

 真菌が付着した靴下を洗浄する場合、低温での洗濯では真菌病原体が十分に死滅しないため、高温で洗濯することが望ましいことが、イスラエル・テルアビブ大学のBoaz Amichai氏らによって報告された。 真菌が付着した衣類からは再感染の可能性があるが、これまで十分に検証されていなかった。 The International Society of Dermatology誌オンライン版2013年7月24日掲載報告。

 Amichai氏らは、異なる水温での家庭洗濯によって、靴下に付着した真菌をどのくらい排除できるか、その効果を評価した。靴下は足白癬患者から81足集められた。

 主な結果は以下のとおり。

・調査に使用した靴下は、足白癬患者が着用した後、40℃または60℃の洗濯水で洗浄され、室温で乾燥された。
・真菌培養検査に用いたサンプルは、つま先部分とかかと部分の2ヵ所からそれぞれ採取された。
・40℃の洗濯水で洗浄されたサンプルのうち、29足(36%)の真菌培養が陽性であった。なお、14足はつま先部分で、15足はかかと部分であった。
・そのうち、紅色白癬菌は4検体、アスペルギルス属は20検体で検出された。
・同様の条件の靴下を60℃の洗濯水で洗浄した場合、5足(6%)の真菌培養が陽性であった。なお、3足はつま先部分で、2足はかかと部分であった。
・60℃の洗濯水で洗浄した靴下では、アスペルギルス属のみ検出された。
・酵母は40℃の洗濯で死滅した。
・以上の結果より、真菌を死滅させるためには低温の洗濯水は効果的ではないことから、省エネや環境保護といった流れに反するものの、真菌が付着した靴下は高い水温(60℃)での洗濯が必要であることが示唆された。

(ケアネット 森 幸子)