ミノサイクリン、腰椎ヘルニア術後疼痛を改善せず 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/21 腰椎椎間板切除の周術期におけるミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)8日間投与の術後疼痛の軽減効果について検討したフランス・INSERMのValeria Martinez氏らによる無作為化二重盲検比較試験の結果、有効性は認められなかったことが報告された。ミノサイクリンは、慢性疼痛の主な発症機序である中枢性感作に関与するミクログリアの活性化を強く阻害することから、腰椎椎間板切除後の持続性疼痛を軽減することが期待されていた。Pain誌2013年8月号(オンライン版2013年3月27日号)の掲載報告。 対象は、腰椎椎間板切除術実施予定患者100例で、プラセボ群とミノサイクリン群に無作為に割り付け、ミノサイクリン群には同薬剤100mgを1日2回、手術前夜から8日間経口投与した。 主要評価項目は、ベースライン時から3ヵ月後における下肢安静時疼痛強度の変化であった。副次的評価項目は、同じく3ヵ月後における動作時疼痛強度、持続痛と慢性神経障害性疼痛の頻度、安静時および動作時の腰痛強度、神経障害性疼痛重症度(NPSI)スコア、簡易疼痛質問票(BPI)スコアおよびローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアの変化であった。 主な結果は以下のとおり。 ・下肢疼痛強度の減少は、プラセボ群とミノサイクリン群とで同程度であった(安静時:-1.7±1.6 vs. -2.3±2.4、動作時:-2.5±2.1 vs. -3.4±2.9)。 ・神経障害性疼痛の頻度、強度および機能スコアは、プラセボ群とミノサイクリン群とで差はなかった。 ・探索的分析の結果、ミノサイクリンはベースライン時において主に深部自発痛を有する患者に対しては有効である可能性が示唆された。 ■関連記事 無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは? 「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? 腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? ミノサイクリンの投与は統合失調症に本当に有用か:藤田保健衛生大学 (ケアネット) 原著論文はこちら Martinez V et al. Pain. 2013 Mar 27. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] 肩腰膝の痛みをとる Dr.究のあなたもできるトリガーポイント注射 (2018/11/15) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【整形外科編】(2017/12/07) 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2(2014/06/11) シンポジウム「最小侵襲脊椎安定術MISt」第20回記念 日本脊椎・脊髄神経手術手技学会より(2013/10/08) 整形外科 匠のワザ(2013/06/13) 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科<上巻> (2012/12/01) 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科<下巻>(2012/12/01)