慢性皮膚サルコイドーシスに4剤併用の抗マイコバクテリウム療法が有望

提供元:ケアネット

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公開日:2013/10/17

 

 慢性皮膚サルコイドーシスに対して、経口抗マイコバクテリウム薬併用(CLEAR)療法が病変を有意に退縮する可能性が示された。米国・ヴァンダービルト大学医学部のWonder P. Drake氏らによる無作為化単盲検プラセボ対照試験の結果で、退縮効果は臨床症状の改善とともに180日間の追跡期間中、認められたという。JAMA Dermatology誌2013年9月号の掲載報告。

 サルコイドーシスは治療が限られた慢性の肉芽腫である。本試験は、抗マイコバクテリウム療法が、慢性病変の直径および重症度を低減するか否かを実証する初の無作為化プラセボ対照試験であった。

 試験は、1日1回投与の抗マイコバクテリウム療法の有効性と安全性を評価することを目的とし、テネシー州ナッシュビルの第3次皮膚疾患治療センターにて、治療が必要とみなされた30例の患者を、介入群とプラセボ群に割り付けて行われた。

 被験者に対し、レボフロキサシン(商品名:クラビットほか)、エタンブトール(同:エサンブトールほか、わが国では結核症にのみ承認)、アジスロマイシン(同:ジスロマック)、リファンピシン(同:リファジンほか、わが国では結核症・ハンセン病にのみ承認)の経口4剤併用(CLEAR)療法またはプラセボレジメンを8週間投与し、180日間追跡した。

 主要評価項目は、病変直径の絶対変化または肉芽腫負荷の減少で、治療終了後にそれらが認められた場合にモニタリングを行い評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・intention-to-treat解析において、病変直径が平均(SD)で、CLEAR投与群は-8.4(14.0)mm退縮した一方、プラセボ投与群は0.07(3.2)mm増加した(p=0.05)。
・CLEAR投与群は肉芽腫負荷が有意に減少し、病変重症度についてプラセボ群の平均(SD)-0.6(2.1)mmの減少と比較して、-2.9(2.5)mmの減少を体感した(p=0.02)。
・以上のように、抗マイコバクテリウム治療は、プラセボと比較して慢性の皮膚サルコイドーシス病変直径を有意に退縮する可能性があることが示された。
・観察された退縮(臨床的に重要な症状改善を伴う)は、180日の追跡調査期間にわたってみられた。
・サルコイドーシスCD4+ T細胞のトランスクリプトーム解析の結果、反応経路の反転と重症度の関連が示され、T細胞受容体の刺激後にT細胞機能が強化されることが明らかになった。

(ケアネット)