チオトロピウム、軽症から重症までの喘息に対する有効性示す~2014年度米国アレルギー・喘息・免疫学会議(AAAAI2014)~

※チオトロピウム レスピマットは、現在喘息の治療薬として承認されていないのでご留意ください。
2014年3月1日、米国サンディエゴで開催された2014年度米国アレルギー・喘息・免疫学会議(AAAAI)で、チオトロピウムの新たな第3相試験結果第3相試験GraziaTinA-asthmaの結果が発表され、低用量の吸入ステロイド薬による維持療法を受けてもなお、コントロールが不十分な喘息患者において、チオトロピウムレスピマットが肺機能を改善し、忍容性も良好であったことが示された。
GraziaTinA-asthma試験の筆頭著者であるピサ大学呼吸器内科准教授Prof. Pierluigi Paggiaro氏は、現在の治療選択肢をもってしてもなお、喘息患者の少なくとも40%がコントロール不十分で、喘息増悪リスクが高まることがあるため、あらゆる重症度の喘息患者において、新しい治療選択肢の安全性と有効性を検討することが重要であると述べた。
同学会では、GraziaTinA-asthma以外のチオトロピウムの気管支喘息についての大規模試験結果も報告されている。中等症を対象とした第3相試験MezzoTinA-asthmaの新たなサブ解析結果からは、中用量の吸入ステロイド薬による維持療法を受けてもコントロールが不十分な喘息患者において、チオトロピウムの1日1回の追加投与は、アレルギーの有無に関わらず、気道の閉塞を抑制することが示された。
重症例を対象とした第3相試験PrimoTinA-asthmaのサブ解析結果からは、吸入ステロイド薬/長時間作用性β刺激薬の併用治療を受けてもなお、コントロールが不十分な喘息患者において、チオトロピウムの1日1回の追加投与が、ロイコトリエン受容体拮抗薬の併用の有無に関わらず、肺機能を改善することが示された。
これらの試験結果から、ベーリンガーインゲルハイムは、チオトロピウムレスピマットがあらゆる重症度の喘息において、有効かつ忍容性が良好であることが示されたと発表した。
ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはこちら
(ケアネット 細田 雅之)
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