COPD増悪入院患者の約半数で無呼吸症候群 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/03/12 COPD増悪入院患者では、一般集団や安定期COPD患者と比べて、睡眠時無呼吸症候群(OSA)の有病率が高いことが、チェコ共和国・St. Anne's大学病院のPavel Turcani氏らによる検討の結果、明らかにされた。COPDとOSAの併存は、オーバーラップ症候群として広く認識されている。しかし、安定期COPD患者のOSA有病率に関するエビデンスは限定的なものしかなく、COPD増悪入院患者のOSA有病率のデータはなかった。Biomedical Papers of the Medical Faculty of the University Palacky誌オンライン版2014年2月25日号の掲載報告。 先行研究において、COPD有病率はEUでは4~6%、米国成人集団では5%超と報告されており、またOSAについては一般集団で5~15%との報告がある。一方、COPDとOSAの併存については、最大29%との研究報告がある一方で、両者の結びつきを否定する報告もあった。 研究グループは、COPD増悪入院患者におけるOSA併存者の割合を明らかにすること、また、COPD被験者に認められるOSAの交絡因子を明らかにすることを目的に、2013年2月から5月の4ヵ月間に、St. Anne's大学病院の呼吸器科部門にCOPD増悪で入院した101例の患者を対象に検討を行った。 試験には79例の連続患者が登録され、そのうち35例にポリグラフィを実施。記述統計、マン-ホイットニー検定、クラスカル-ウォリス検定、スピアマン相関分析、フィッシャー検定にて結果を要約・評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・ポリグラフィを実施した35例のうち、無呼吸低呼吸指数(AHI)5以上のOSAを有することが示唆されたのは18例(51.4%)であった。AHI 5~15が9例、同15超が9例であった。 ・AHIは睡眠障害の重症度分類指標であると同時に、「Mallampatiスコア分類」「いびき」「無呼吸」「冠動脈疾患」「糖尿病既往」「身長」「BMI」「頸囲」「ウエスト周囲径」「ヒップ周囲径」「エプワース眠気尺度」とそれぞれ有意な相関関係を示した。 ■「COPD増悪」関連記事 COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet (ケアネット) 原著論文はこちら Turcani P, et al. Biomed Pap Med Fac Univ Palacky Olomouc Czech Repub. 2014 Feb 25. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 2型DMの血糖コントロールなど、予測モデルによる治療最適化で改善/Lancet(2025/03/10) 切除不能進行胃がん1次治療、sugemalimab追加でOS・PFS改善(GEMSTONE-303)/JAMA(2025/03/10) リファンピシン耐性キノロン感性結核に対する経口抗菌薬(解説:寺田教彦氏)(2025/03/10) TTF-1陰性Non-Sq NSCLCに対するアテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(LOGIK2102)/日本臨床腫瘍学会(2025/03/10) 統合失調症の認知機能改善に対するメトホルミンの有用性(2025/03/10) EBウイルスが腎移植後のリンパ増殖性疾患に関与(2025/03/10) うつ病歴は慢性疾患の発症を早める(2025/03/10) 症状を電子的に報告するシステムががん患者の症状管理やQOLを改善(2025/03/10) 「善玉」コレステロールは緑内障リスクを高める?(2025/03/10) [ あわせて読みたい ] EGFR変異陽性例のSCLC転化とは何なのか? どう対応するか?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第5回(2019/02/28) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15) 高齢者に対するICIは効きが悪い?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第4回(2019/01/17) Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編 (2019/01/15) オシメルチニブの耐性機序【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第3回(2018/12/14) 免疫チェックポイント阻害薬の再投与は有効か?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第1回(2018/11/02) Dr.小松のとことん病歴ゼミ (2018/09/07) 長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.1(2018/07/25)
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