本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/14

 

 非定型抗精神病薬に伴う代謝異常は、薬剤の種類により異なるといわれている。非定型抗精神病薬と心血管疾患のリスク因子との関連を踏まえ、米国糖尿病学会(ADA)および米国精神医学会(APA)は、非定型抗精神病薬の中でもアリピプラゾールとジプラシドン(国内未承認)は代謝異常を生じにくいとのコンセンサスステートメントを発表した。今回、米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏らは、実臨床下におけるアリピプラゾールと他の非定型抗精神病薬の代謝関連有害事象リスクに関する検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2014年3月26日号の掲載報告。

 本検討において研究グループは、非定型抗精神病薬アリピプラゾールの治療を受けている成人患者の体重増加、脂質異常、血糖異常、糖尿病のリスクを検討した実臨床での研究(観察/自然的研究、オープンラベル研究など)を評価した。2000年1月1日~2011年10月4日までに報告された文献を対象とし、タイトルまたは抄録に「アリピプラゾール」「非定型」「糖」「インスリン」「コレステロール」「トリグリセリド」「糖尿病」「HbA1c」「体重」「BMI」「高脂血症」などの用語が含まれている論文をPubMedで検索した。

 主な結果は以下のとおり。

・アリピプラゾールと関連する代謝への影響を評価した22件のピアレビュー論文が抽出された。それら論文は、被験者15例の小規模観察研究から170万例を超える大規模データベースにわたった。
・アリピプラゾールによる治療を受けた成人患者の体重増加、脂質異常、血糖異常および糖尿病発症リスクを評価した観察または自然的研究は13件、オープンラベル試験は9件あった。
・アリピプラゾールは、その他の非定型抗精神病薬と比較して、体重増加および脂質異常に及ぼす影響が同等またはそれ以下であり、その程度は試験デザインに依存しているようであった。
・さらに、アリピプラゾールはその他の非定型抗精神病薬の大半に比べ、糖尿病のリスクが少なかった。
・無作為化比較試験のデータと、本レビューの所見は一致しており、アリピプラゾールは汎用されているその他の非定型抗精神病薬よりも、成人における代謝関連有害事象のリスクが少ない可能性が示唆された。所見は、ADA/APAのコンセンサスステートメントとも一致するものであった。

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(ケアネット)