糖尿病に関する指標として、過去約2週間の平均血糖値を反映した糖化アルブミン(GA)がある。川島病院の島 健二氏らは、2型糖尿病患者に対するDPP4阻害薬・シタグリプチン治療例において、糖尿病の指標であるHbA1cとGAの有用性を比較した。その結果、GAはシタグリプチン治療の有効性を評価するうえでHbA1cよりも優れていることが示された。Internal Medicine誌オンライン版2014年4 月15日号の掲載報告。
研究グループはシタグリプチン(50mg)を2型糖尿病の外来患者67例に1日1回経口投与し調査した。4週目、12週目におけるHbA1c値またはGA値をベースライン時と比較し、それぞれの減少率が5%以上の場合に薬剤の有効性があるとみなした。
主な結果は以下のとおり。
・平均HbA1c値はベースライン時に8.1±1.0%であり、4週目では7.8±0.9%、12週目では7.2±0.8%に減少していた。
・平均GA値はベースライン時に25.0±4.5%であり、4週目では22.2±3.8%、12週目では20.8±3.5%に減少していた。
・HbA1c値変化に基づき、薬剤の有効性ありと認められた患者(ベースライン時からHbA1c値が5%以上減少した患者)は、4週目で25例(37.3%)、12週目で48例(71.6%)であった。
・GA値変化に基づき、薬剤の有効性ありと認められた患者(ベースライン時からGA値が5%以上減少した患者)は、4週目で56例(83.6%)、12週目で65例(97.0%)であった。
・4週目時点での、ベースライン時からの減少率はGA値のほうがHbA1c値よりも有意に大きかった(10.8±8.5% vs. 3.7±4.9%、p<0.05)。
これらの結果から研究グループは、有効性評価を減少率5%以上としたとき、GAのほうがHbA1cよりも感度が高いことがわかったとまとめている。
(ケアネット 加藤千恵)