【JSMO見どころまとめ(1)】トランスレーショナルリサーチ

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/02

 

 2014年7月17日(木)から3日間にわたり、福岡国際会議場ほかにて、第12回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち、先月27日、東京都中央区にて日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催された。そこで行われた、後藤 功一氏(国立がん研究センター東病院 呼吸器内科)による講演「トランスレーショナルリサーチ」について簡潔にまとめる。

【まとめ】
・近年、非小細胞肺がんにおいてEGFR遺伝子をはじめ、さまざまなドライバー遺伝子が同定されているが、EGFR遺伝子変異を除く多くのドライバー遺伝子の頻度は5%未満であり、これら希少肺がんに対する治療薬開発は困難となっている。
・トランスレーショナルリサーチとは、新薬を開発し、臨床での試用経験から、その有効性・安全性を確認して日常診療へ応用していくまでの一連の研究過程をいい、橋渡し研究ともいう。
・日本は、トランスレーショナルリサーチが遅く、弱点となっている。これは、研究機関だけの問題ではなく、産官学が一体となって取り組んでいく必要がある。
・後藤氏らは、厚生労働科学研究費を基に、わが国初となる全国規模の遺伝子診断ネットワーク(LC-SCRUM-Japan)を組織し、2013年2月より希少肺がんの遺伝子スクリーニングを開始している。

 本学術集会では、LC-SCRUM-Japanの詳細情報や、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)との合同シンポジウムを通し、日本と欧州における肺がんを中心としたトランスレーショナルリサーチの現状について議論していく。


〈 トランスレーショナルリサーチに関する注目演題 〉
・ESMO/JSMO Joint Symposium
 テーマ:“Translational Research”
 日時:2014年7月17日(木)13:20~15:20 
 会場:Room 3(福岡国際会議場3F「メインホール」)

・日本臨床腫瘍学会/ 日本がん分子標的治療学会/ 抗悪性腫瘍フォーラム/ 日本製薬医学会合同シンポジウム2
 テーマ:“創薬における必要な橋渡し研究”
 日時:2014年7月17日(木)15:20~17:20 
 会場:Room 3(福岡国際会議場3F「メインホール」)

【第12回日本臨床腫瘍学会学術集会】
■会期:2014年7月17日(木)~19日(土)
■会場:福岡国際会議場、福岡サンパレス、福岡国際センター
■会長:田村 和夫氏(福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学 教授)
■テーマ:包括的にがん医療を考える
~橋渡し研究、がん薬物療法からサバイバーシップまで~

第12回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページ

(ケアネット 岸田有希子)