β遮断薬長期服用の乾癬発症リスク

米国・ブラウン大学のShaowei Wu氏らによる前向きコホート研究の結果、長期にわたる高血圧症は乾癬リスクを増大すること、またβ遮断薬の常用も乾癬リスクを増大する可能性があることを報告した。これまで高血圧症と乾癬の関連、および降圧薬、とくにβ遮断薬が乾癬発症に結び付くことは示唆されていたが、前向きデータを用いた検討は行われていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年7月2日号の掲載報告。
検討は、1996年6月1日~2008年6月1日に米国で行われた看護師健康調査に参加し、高血圧症と降圧薬に関する2年ごとの更新データが入手できた7万7,728例の女性を対象とした。
主要評価項目は、医師に診断された乾癬であった。
主な結果は以下のとおり。
・フォローアップ106万6,339人年において、乾癬を発症したのは843例であった。
・正常血圧被験者と比べて高血圧症6年以上の被験者は、乾癬を発症するリスクが高率であった(ハザード比[HR]:1.27、95%信頼区間[CI]:1.03~1.57)。
・層別化解析において乾癬リスクは、正常血圧・降圧薬非服用の患者と比較して、降圧薬非服用・高血圧症被験者(HR:1.49、95%CI:1.15~1.92)、降圧薬服用・高血圧症被験者(同:1.31、1.10~1.55)で高率であった。
・β遮断薬非服用被験者と比較して、同常用被験者の多変量HRは、常用期間1~2年では1.11(95%CI:0.82~1.51)、3~5年では1.06(同:0.79~1.40)、6年以上では1.39(同:1.11~1.73)であった(傾向のp=0.009)。
・その他の降圧薬使用と乾癬リスクとの関連は認められなかった。
(ケアネット)
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