肺ノカルジア症 進行リスクはCOPD

提供元:ケアネット

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公開日:2014/08/13

 

 COPDは肺ノカルジア症を進行させるリスクファクターとなることをイタリアのサン・ドナート病院のClaudia Maggiorelli氏らが明らかにした。さらに、COPDが危険因子となる原因はCOPDによる肺の防御機構の低下や長期にわたるステロイド療法である可能性にも言及している。Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease誌オンライン版2014年8月5日号の掲載報告。

 ノカルジアは日和見感染病原体であり、肺ノカルジア症患者の半数以上は免疫抑制状態であることが報告されている。COPDは肺ノカルジア症を有する免疫抑制患者の合併症として最も頻度の高い疾患の1つである。
 

 今回の研究は、1999年~2012年の間に肺ノカルジア症で入院したすべての患者の臨床症状、治療成果、合併症を検討したものである。

 6,545例の入院患者のうち、肺ノカルジア症と診断された患者は、4例で、この4例のうち3例はCOPDを合併していた。また診断が遅れた患者も観察された。特異的な抗肺ノカルジア療法を1ヵ月行った後には、すべての患者で臨床の放射線学的な改善が認められていた。

 著者は「われわれの経験では、肺ノカルジア症は免疫抑制状態にある患者で多いものの、正常な免疫反応を有する患者でも疑うべき希少疾患であるといえる」とまとめている。

(ケアネット 鎌滝 真次)