新規抗てんかん薬(とくに、ラモトリギン、レベチラセタム、トピラマート)の催奇形性リスクを評価するため、オーストラリア・メルボルン大学のF J E Vajda氏らは検討を行った。Acta neurologica Scandinavica誌オンライン版2014年7月18日号の報告。
胎児の催奇形性リスクは、妊娠初期の妊婦における抗てんかん薬曝露群(1,572例)と非曝露群(153例)で比較した。信頼区間は回帰法を用いて検討を行った。
新規抗てんかん薬の催奇形性リスクを分析
新規抗てんかん薬による催奇形性リスクの主な分析結果は以下のとおり。
・妊娠初期に治療を受けていなかったてんかん女性における胎児の催奇形性率(3.3%)と比較して、新規抗てんかん薬の曝露群ではラモトリギン4.6%、レベチラセタム2.4%、トピラマート2.4%(いずれも単剤投与)と、統計学的な有意差は認められなかった。
・ただし、トピラマート併用投与の一部で14.1%、バルプロ酸単剤投与13.8%、バルプロ酸併用投与10.2%であり、いずれも統計学的に有意に高かった。
・新規抗てんかん薬の単剤投与と併用投与のデータを合わせた回帰分析では、ラモトリギンとレベチラセタムは、催奇形性リスクの有意な増加は認められなかった。しかし、妊娠初期のトピラマート(p=0.01)およびバルプロ酸(p<0.0001)では、催奇形性リスクは統計学的に有意であり、かつ用量依存的であった。
(ケアネット 鷹野 敦夫)