アビガン錠、エボラ出血熱向けに生産

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/10/22

 

 富士フイルム株式会社(社長: 中嶋 成博)は、海外での使用を目的とし、エボラ出血熱対策として抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」(一般名:ファビピラビル)を追加生産すると決定した。

 アビガン錠は、富士フイルムグループの富山化学工業株式会社が開発した抗インフルエンザウイルス薬であり、エボラウイルスに対して抗ウイルス効果を有するとのマウス実験の結果が公表されている。すでに、日本政府と協議のうえ、緊急搬送先の政府機関および医療機関から提供の要請に応え、西アフリカや欧州に搬送されたエボラ出血熱患者複に対し投与されている。

 フランス政府とギニア政府はギニアにおいて、11月中旬よりエボラ出血熱に対するアビガン錠の臨床試験を始める予定。同社は、現時点で2万人分の錠剤を有し、原薬としてさらに30万人分程度の在庫を保有している。また、今後のさらなる臨床使用に備え、エボラ出血熱向けとしてのアビガン錠の生産を11月中旬より行う。

 日本政府は、感染が広がるエボラ出血熱に対して、日本の企業が開発した治療に効果の見込める薬を提供する準備があることを表明しており、同社は日本政府と協議しながら、各国からの要請に応えていくという。

富士フィルムのプレスリリースはこちら

(ケアネット 細田 雅之)