美容皮膚科、有害事象発生は1%未満

米国・ノースウェスタン大学のMurad Alam氏らによる多施設共同前向きコホート研究の結果、レーザーや毒素、皮膚充填剤を用いた処置などの非侵襲性~微小侵襲性の美容皮膚科的な処置は、経験豊かな認定皮膚科医が行う限り安全であることを報告した。「有害事象が起きるのは患者の1%未満であり、発生例も大半は軽症または一過性のものであった」とまとめている。これまでも同手技については広く安全であると信じられており、有害事象の発生率は低いと報告されていた。しかし、信頼性の高い有害事象発生率のデータはほとんどないという。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年11月5日号の掲載報告。
本調査研究は、2011年3月28日~12月30日に、レーザーおよびエネルギーデバイスを用いた処置、毒素注射療法、皮膚軟部組織を用いたシミ・しわとり再生医療処置を行った外来・美容皮膚科専門のクリニック8施設で行われた。施設は全米各地に点在する民間医療機関で、計23人の皮膚科医から調査の協力を得られた(2万399手技)。
データの収集は、施設ごとに3ヵ月(13週)間にわたり、季節変動を考慮して施設ごとの開始日をずらして行われた。データの収集は各施設で毎日Webベースに入力する形で行われ、実施した処置についてカテゴリー別・サブタイプ別に記録がされた。
有害事象は次のように検出された。(1)関与している医師またはスタッフによる初期の観察で検出、(2)術後に自己報告することを奨励されていた患者からのアクティブな申告で検出、(3)スタッフから患者に行われた術後フォローアップの電話により検出、であった。有害事象は医師により観察されなかったが疑われた場合は、フォローアップ訪問が24時間以内になされ、その特徴付けが行われた。各有害事象に関する詳細な情報は、オンラインフォームに記録された。
主要アウトカムは、手技関連有害事象の全発生率(全実施手技÷全有害事象)。有害事象の発生は臨床検査と照合して確認が行われた。
主な結果は以下のとおり。
・有害事象は48件、発生率は0.24%(95%信頼区間[CI]:0.18~0.31%)であった。
・概して、手技36件で1件の有害事象が起き、発生率にして0.18%(95%CI:0.13~0.25%)であった。
・重篤な有害事象は報告されなかった。
・有害事象と既知のリスク因子との関連はまれなものであった。
(ケアネット)
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