各種抗うつ薬の長期効果に違いはあるか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/12/12 大うつ病性障害(MDD)の治療目標は、再発の長期予防であるべきだが、MDDに対する抗うつ薬の長期治療効果を比較した研究は少ない。イタリア・ミラノ大学のMassimiliano Buoli氏らは、MDD患者における異なる薬理学的特性を有する抗うつ薬の長期効果(再発、入院、副作用のための中断)を検討した。Human psychopharmacology誌オンライン版2014年11月13日号の報告。 対象は、単剤の抗うつ薬により治療中の外来MDD患者150例。フォローアップ期間は24ヵ月、カルテ、患者および家族からのインタビュー、ロンバルディア地域のレジスターから情報を得た。生存率分析(カプラン・マイヤー法)により、再発、入院、死亡イベントなど副作用による中断)を検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者の48.7%は、治療開始2年以内に再発を認めた。 ・ブプロピオンは他の抗うつ薬と比較し、MDDの長期治療において効果的とはいえなかった(フルオキセチン以外:p=0.09、アミトリプチリン:p=0.13、フルボキサミン:p=0.83、ベンラファキシン:p=0.5、トラゾドン:p=0.58)。 ・フルボキサミンも他の抗うつ薬と比較し、効果的とはいえなかった(シタロプラム:p=0.036、パロキセチン:p=0.037、クロミプラミン:p=0.05、セルトラリン:p=0.011、デュロキセチン:p=0.024)。 関連医療ニュース 新規抗うつ薬の実力、他剤比較で検証 パロキセチンは他の抗うつ薬よりも優れているのか 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Buoli M, et al. Hum Psychopharmacol. 2014 Nov 13. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 抗うつ薬の適応外処方、普及率はどの程度 医療一般(2017/03/17) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)