COPDの大うつ病併存 8つの質問で予測可能

提供元:ケアネット

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公開日:2014/12/23

 

 軽度低酸素血症を有するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者では、COPD Assessment Test(CAT)スコアが大うつ病の予測変数になりうることを、ブラジル・ゴイアス国立大学医学部のJose Laerte Junior氏らが明らかにした。BMC Pulm Med誌オンライン版2014年11月28日号の掲載報告。

 うつ病は、COPD患者の併存疾患として一般的であり、COPDの経過に著しい影響を与えていることが知られている。本研究は、CAT(8つの質問項目でCOPDの状態が患者にどのような影響を与えているか把握するためのツール)と、軽度低酸素血症を有する安定期のCOPD外来患者でみられる大うつ病との関連を調べることを目的としている。

 大うつ病の患者30例と、うつ病ではない患者30例により、症例対照研究を実施した。大うつ病は、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)に従って診断された。そして、睡眠パラメーターを調節しながら、考えられるすべての予測変数を、多変量ロジスティック回帰モデルに組み込み、大うつ病と各独立変数との関連を評価した。

 研究の結果、CATスコアが20を超える場合、大うつ病と関連していることが明らかになった(OR:7.88、95%CI:1.96~31.7、p=0.004)。

 このことから、今後、大うつ病が併存しているかどうかを具体的に評価するツールの1つとして、CATを検討すべきであろうと著者らは述べている。

(ケアネット 佐藤 駿介)