現在、全国の医療機関において、医療安全を目的とした院内事故調査が行われています。また、2014年6月、紆余曲折を経て、いわゆる医療事故調査制度が創設されることとなり、2015年10月以降には、医療事故調査・支援センターにおいても事故調査が行われることとなります。
これらの調査において行われる聞き取り調書や事故調査委員会での議事録、内部検討のための意見書といった内部文書や事故調査報告書といった各種文書は、医療安全のために収集、作成されたものであり、責任追及や説明責任など、目的外に使用されることが許されないのは当然のことです。
しかし、その一方で、民事訴訟における文書提出命令のように、法律に基づく強制的な文書開示手続が存在します。これらの手続きを用い、責任追及等のために内部文書や事故調査報告書が用いられることとなれば、せっかくの医療安全のための制度が崩壊してしまいます。
本シンポジウムでは、個人情報保護法、民事訴訟法、刑事訴訟法上、どのように文書開示手続が定められており、判例はどのように考えているのかを明らかにし、院内事故調査や医療事故調査制度が円滑に進むためにはどのような対応が必要かを検討します。
司法と医療の相互理解の促進という「医療法学」の世界にぜひ、触れてみてください。
【テーマ】
医療事故調査報告書、及び、聞き取り調査書等内部資料と文書提出命令等証拠開示手続との関係
■開催概要
【日時】 2015年2月15日(日)
【時間】 13:00~17:00(レセプション 17:30~[有料3,000円])
【会場】 東京大学(本郷キャンパス)医学部附属病院 入院棟A15階 大会議室
(〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1)
【費用】 無料
【対象】 医師、看護師、医療従事者、医学生など
〔プログラム〕
・医療事故調査の実際 医療安全を目指す上で必要な事項
(山田 奈美恵[東京大学医学部附属病院総合研修センター特任助教:医師])
・個人情報保護法に基づく開示請求
(小島 崇宏[大阪A&M法律事務所:医師、弁護士])
・民事訴訟・保全において用いられる開示手続
(山崎 祥光[井上法律事務所:弁護士、医師])
・刑事捜査・訴訟において用いられる開示手続
(大滝 恭弘[帝京大学医学部准教授:医師、弁護士])
・患者側弁護士からの視点
(米山 隆一[おおたか総合法律事務所:医師、弁護士])
・各手続に対する対応方法
(大磯 義一郎[浜松医科大学医学部教授(医療法学)、帝京大学医療情報システム研究センター客員教授:医師、弁護士])
--パネルディスカッション--
●参加をご希望される方は、氏名、所属、連絡先、レセプション参加希望の有無を記載のうえ、事務局宛(lawjimu@hama-med.ac.jp)までお申し込みください。
(ケアネット)