脱毛症の人はあのリスクが上昇

提供元:ケアネット

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公開日:2015/01/21

 

 脱毛症は、冠状動脈性心疾患のリスク上昇と関連し、脱毛症の重症度が高いほど、冠状動脈性心疾患のリスクも上昇する可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のNelson Trieu氏らによる研究で明らかになった。また、脱毛症は高血圧、高インスリン血症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドロームのリスク上昇、血清総コレステロール値・トリグリセリド値の上昇とも関連が認められた。International journal of cardiology誌2014年10月20日号の報告。

 脱毛症は、冠状動脈性心疾患リスクの上昇との関連が認められており、高インスリン血症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、脂質異常症、高血圧といった循環器疾患のリスク因子でもある。
本研究では、脱毛症患者における冠状動脈性心疾患リスクとリスク因子を定量的に評価するために、データベースで文献を検索し、メタ解析を行った。プールされたオッズ比と95%信頼区間は、ランダム効果モデルを用いて算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・31試験、2万9,254人の脱毛症患者について解析した。
・脱毛症は、下記のリスク上昇と関連が認められた。
 冠状動脈性心疾患(オッズ比1.22、95%CI:1.07~1.39)
 高インスリン血症(オッズ比1.97、95%CI:1.20~3.21)
 インスリン抵抗性(オッズ比 4.88、 95%CI:2.05~11.64)
 メタボリックシンドローム(オッズ比 4.49、95%CI:2.36~8.53)
・脱毛症患者は、脱毛症でない患者と比べて下記の値が高かった。
 血清コレステロール(オッズ比 1.60、95%CI:1.17~2.21)
 血清トリグリセリド(オッズ比 2.07、95%CI:1.32~3.25)
 収縮期血圧(オッズ比 1.73、95%CI:1.29~2.33)
 拡張期血圧(オッズ比 1.59、95%CI:1.16~2.18)

(ケアネット 武田 真貴子)