「朝食多め・夕食軽く」が糖尿病患者に有益~無作為化クロスオーバー試験

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/04

 

 イスラエル・テルアビブ大学のDaniela Jakubowics氏らは、2型糖尿病患者において、朝食が高エネルギーで夕食は低エネルギーの食事(B食)が、夕食が高エネルギーで朝食は低エネルギーの食事(D食)と比べ、インクレチンとインスリンの増加によって食後高血糖を抑えるかどうかを、オープンラベル無作為化クロスオーバー試験により検討した。その結果、総エネルギーが同じであっても朝食で高エネルギーを摂取するほうが、1日の総食後高血糖が有意に低下することが認められた。著者らは「このような食事の調節が、最適な代謝コントロール達成において治療上有効と考えられ、2型糖尿病における心血管などの合併症を予防する可能性がある」とまとめている。Diabetologia誌オンライン版2015年2月24日号に掲載。

 本研究では、罹患歴10年未満でメトホルミン投与や食事療法(両方もしくはどちらか)を受けている、BMI 22~35の30~70歳の2型糖尿病患者18例(男性8例、女性10例)を対象とした。7日間のB食もしくはD食に無作為に割り付け、7日目の毎食後、血糖、インスリン、Cペプチド、intact GLP-1(iGLP-1)、総GLP-1(tGLP-1)を測定した。2週間のwashout期間後にもう一方の食事にクロスオーバーした。

B食:朝食2,946kJ(約700kcal)・昼食2,523kJ(約600kcal)・夕食858kJ(約200kcal)
D食:朝食858kJ(約200kcal)・昼食2,523kJ(約600kcal)・夕食2,946kJ(約700kcal)

 主な結果は以下のとおり。

・22例が無作為化され、うち18例が解析された。
・B食ではD食に比べて、24時間の血糖AUC(曲線下面積)は20%低かったが、インスリンAUC、CペプチドAUC、tGLP-1 AUCは20%高かった。
・食後3時間の血糖AUCとその最高血糖値は、B食ではD食に比べてどちらも24%低かったが、インスリンAUCは11%高かった。また、tGLP-1 AUCは30%高く、iGLP-1 AUCは16%高かった。
・どちらの食事も昼食は同じエネルギーにもかかわらず、昼食後の3時間AUCは、B食ではD食に比べ、血糖が21%低く、インスリンが23%高かった。

(ケアネット 金沢 浩子)