急性期病院での認知症看護、その課題は:愛媛大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/03/27 認知症は公衆衛生上の大きな問題であり、ますます多くの認知症患者が合併症治療のために急性期病院へ入院している。一方で、急性期病院における認知症患者の看護に関する問題は、明らかにされてこなかった。愛媛大学の福田 里砂氏らはフォーカスグループインタビュー(FGI)を用いた質的研究を行い、主な問題として、さまざまな問題や困難が相互に作用して悪循環に陥っていること、看護師は矛盾を感じながらもそのような状況に対応するため最善を尽くしていることの2点を示した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。 研究グループは、2008年2月~12月に西日本の急性期病院6施設においてFGIを実施した。対象はICUを除いた外科および内科病棟の看護師で、看護師歴3年未満、最近配属された病棟で認知症患者の看護の経験がない看護師および看護師長は除外された。インタビュー時間は1~1.5時間であった。 主な結果は以下のとおり。 ・参加者は計50人で、平均経験年数は9.8年であった。 ・8つのフォーカスグループが得られ、急性期病院における認知症患者の看護に関する問題は7つのグループに分類された。 ・そのうち3つのグループ[問題となる患者の行動、問題が繰り返し起こること、問題が多くの人々(家族や同室の患者)にも及ぶこと]は相互に作用し、悪循環となっていることが判明した。 ・看護師の経験不足や病院の体制が整っていないことが、この悪循環をさらに悪化させていると思われた。 ・この悪循環に対処するため、看護師は自分たち自身あるいは病院のために対策を講じていた。 関連医療ニュース 精神疾患患者、救急受診の現状は 複雑な薬物療法レジメン、認知症介護者の負担増加 救急搬送患者に対する抗精神病薬の使用状況は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Fukuda R, et al. Int J Qual Stud Health Well-being. 2015 Feb 24;10:25828. eCollection 2015. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 英国の過去20年の新薬導入、公衆衛生への影響を評価/Lancet(2024/12/31) 中等症~重症の潰瘍性大腸炎、グセルクマブは有効かつ安全/Lancet(2024/12/31) おそらく後進国(資源の限られた国)における血友病治療の光となる新たな遺伝子治療(解説:長尾梓氏)(2024/12/31) 糖尿病性腎症、コーヒーによるリスク減は摂取時間が重要(2024/12/31) アルツハイマー病治療の新時代、新規治療薬の承認でどう変わるか(2024/12/31) 高齢者への2価RSVワクチン、入院/救急外来受診リスクを低減(2024/12/31) ARBは脳卒中後のてんかん予防に効果的(2024/12/31) 糖尿病予備群が大動脈弁狭窄症を引き起こす(2024/12/31) スポーツの「観戦」にも有意な健康効果―日本人対象の縦断的研究(2024/12/31) [ あわせて読みたい ] ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(2)(2015/03/02) 診療よろず相談TV シーズンII(2014/07/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)