ゴーシェ病初の経口薬 サデルガ製造販売承認

提供元:ケアネット

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公開日:2015/04/02

 

 ジェンザイム・ジャパン株式会社は2015年3月26日、ゴーシェ病経口治療薬であるグルコシルセラミド合成酵素阻害薬「サデルガカプセル100mg」(一般名:エリグルスタット酒石酸塩、以下サデルガ)の製造販売承認を取得した。

ゴーシェ病とは
 ゴーシェ病は世界でも患者数が1万人にも満たない先天性脂質代謝異常症である。糖脂質を分解するライソゾームの酵素(グルコセレブロシダーゼ)が生まれつき少ないため、糖脂質が体内の細胞に蓄積し、肝脾腫、貧血、出血傾向、進行性の骨疾患など重篤な全身性の症状を引き起こす。治療として、これまでに酵素補充療法(点滴)や骨髄移植が行われてきた。しかし、2週間ごとに行う点滴のための頻回な通院や、移植の侵襲性・危険性が問題となっていた。

サデルガの特徴
 サデルガは、ゴーシェ病に対する日本で初めての経口治療薬である。本剤は、肝臓、脾臓、骨髄などに蓄積する糖脂質(グルコシルセラミド)の合成を抑制する。その結果、ゴーシェ病患者の体内に蓄積するグルコシルセラミドの産生が減少し、貧血、肝脾腫、血小板減少症および骨症状などのゴーシェ病の諸症状を改善する作用を持つ。また、第III相試験「EDGE試験」では165例中137例で有効性複合評価項目を達成した。本試験には日本人10例が含まれていたが、その全例が有効性複合評価項目を達成しており、高い効果が示されている。

新薬に対する期待
 前述したように、サデルガは日本初のゴーシェ病経口治療薬であり、その利便性により患者のQOL向上が期待される。また、この新薬登場により日本のゴーシェ病患者に新たな治療選択肢が提示されることとなる。
 本剤は米国食品医薬品局(FDA)と欧州委員会(EC)ですでに承認されているが、日本では臨床試験における投与経験しかない。したがって、適正使用の推進とエビデンスの蓄積により、安全に使用していくことが望まれる。

詳細はプレスリリース
参考サイト:希少疾患ライブラリ ゴーシェ病

(ケアネット 中野敬子)