オキシコドンの乱用防止製剤であるナルトレキソン含有オキシコドン徐放性製剤ALO-02は、中等度~重度の慢性腰痛を有意に改善し、安全性プロファイルは他のオピオイドと類似していることが、米国・Carolinas Pain InstituteのRichard L Rauck氏らによる第III相臨床試験で示された。Pain誌オンライン版2015年5月16日号の掲載報告。
研究グループは、中等度から重度の慢性腰痛に対するALO-02の有効性および安全性を検討する目的で多施設二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った。
非盲検用量調整期として全例にALO-02を投与した後、治療効果判定基準を満たす患者を二重盲検治療期に移行しAOL-02固定用量群またはプラセボ群に割り付けた。
評価項目は1日平均腰痛強度で、11段階の数値的評価スケールを用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・スクリーニングされた663例中、410例が非盲検用量調整期にALO-02の投与を受け、そのうち281例が二重盲検治療期に移行した(ALO-02群147例、プラセボ群134例)。
・治療期の最終2週間における平均疼痛スコアの無作為化時(ベースライン)からの変化量は、プラセボ群と比較してALO-02群が有意に大きかった(p=0.0114)。
・治療期の最終2週間における週間平均疼痛スコアのスクリーニング時からの改善が30%以上を達成した患者の割合は、ALO-02群57.5%、プラセボ群44.0%であった。
・治療期における有害事象の発現率は、ALO-02群56.8%およびプラセボ群56.0%であった。
・治療期においてALO-02に関連した有害事象で発現頻度が高かったのは悪心、嘔吐および便秘で、従来のオピオイド治療と変わらなかった。
(ケアネット)