抗真菌活性を有する新たなピーナッツアレルゲンを同定

提供元:ケアネット

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公開日:2015/06/23

 

 ピーナッツは、最も危険な食物アレルギーの原因の1つで、未知のアレルゲンが親油性マトリックスの中にまだ隠されている。ピーナッツアレルギー患者がアレルギーを起こすリスクを推定し診断法を改善するためには、こうしたアレルゲンを発見する必要がある。ドイツ・ボルステル研究所のArnd Petersen氏らは、この問題に取り組み、新しいピーナッツアレルゲン(Ara h 12およびAra h 13)として、とくに重度ピーナッツアレルギー患者のIgEと反応するディフェンシンを同定した。このディフェンシンは、抗細菌活性ではなく抗真菌活性を有することが明らかとなった。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2015年5月30日号の掲載報告。

 研究グループは、ローストしたピーナッツの親油性抽出物から2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)ならびにクロマトグラフィー法を用いて低分子量成分を分離するとともに、ピーナッツアレルギー患者の血清を用いてSDS-PAGEおよび免疫ブロット法を行い、アレルゲンタンパク質を検出した。

 タンパク質シークエンシング、相同性検索および質量分析によりアレルゲンを同定し、好塩基球活性化試験を用いてアレルギー誘発性を、各種細菌および真菌の阻害試験により抗菌活性を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・クロロホルム/メタノールで抽出後、疎水性クロマトグラフィーの流出液中に12、11および10kDaのIgE反応性タンパク質が検出された。
・検出されたタンパク質は、ピーナッツアレルギー患者の好塩基球を活性化した。
・EST(expressed sequence tag)データベースを用いて検索した結果、アレルゲンはピーナッツ-ディフェンシンと同定され、質量分析にて確認された。
・ピーナッツ-ディフェンシンは、クラドスポリウム属およびアルテルナリア属の糸状菌株に対して阻害活性を示したが、抗細菌活性はなかった。

(ケアネット)