近年みられるようになった接触アレルギーとして、植物性食品との関連がある。口腔アレルギー症候群は、果物アレルギーの最も特徴ある症状の1つであり、全身性反応も引き起こす。植物性食品アレルギーは、花粉アレルギーとともに増大してきており、同様に果物が引き起こすアレルギー性の蕁麻疹も増大しているといわれる。こうした背景を踏まえて、スペイン・フエンラブラダ大学病院のGandolfo-Cano M氏らは、1つの特異的アレルゲンとしてメロンの皮が接触蕁麻疹の原因であることを確認する検討を行った。British Journal of Dermatology誌2014年3月号(オンライン版2013年10月31日号)の掲載報告。
メロンアレルギーの原因はメロンの皮の脂質転写蛋白質
検討は、メロンの皮に触れた後に蕁麻疹を呈した14例のメロンアレルギー患者を評価して行われた。
メロンの皮からエキスを抽出し、メロンアレルギー患者の血清を用いて免疫ブロット分析を行った。また、IgEバインディング領域の分子的特徴を質量分析にて描出した。
メロンの皮の脂質転写蛋白質(LTP)を精製し、阻害試験および接触テストを行い、精製アレルゲンに対するIgE反応を確認した。
メロンアレルギー患者14例を評価した主な結果は以下のとおり。
・全患者の血清免疫ブロット分析にて、IgEバインディング領域は約8~9kDaであり、LTPとして確認された。
・メロンの皮のLTPは、2つのクロマトグラフィステップにて精製された。
・阻害試験によりLTPはメロンの皮による接触皮膚炎患者において主要なアレルゲンであることが確認された。
・メロンの皮のLTPとの接触テストは、5例のメロンアレルギー患者で行われた。全例が陽性反応を示し、接触部位にかゆみを伴う紅斑、発疹を認めた。
・本検討において、メロンの皮のLTPは、主要なアレルゲンであり、接触アレルギーの原因であることが確認された。
・知見は、メロンアレルギー患者の診断と治療の改善に寄与する可能性がある。
(ケアネット)