再発・難治性多発性骨髄腫治療に対するcarfilzomibレジメン

提供元:ケアネット

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公開日:2015/11/30

 

 多種類の前治療歴を有する再発・難治性の多発性骨髄腫患者に対する治療選択肢は限られている。米国・テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのJatin J Shah氏らは、carfilzomib+ポマリドミド+デキサメタゾンからなるCPD療法の治療レジメンを、多施設共同オープンラベル第I相用量漸増試験により評価した。Blood誌2015年11月12日号の報告。

 前治療後に再発または直近に実施した治療で難治性であった患者を対象とした。すべての患者は、レナリドミド前治療に対して不応であった。患者には、carfilzomib静注(初回用量20mg/m2、以降27mg/m2に増加、第1、2、8、9、15、16日目)、ポマリドミド(初期用量レベルとして4mg、第1~21日目)、デキサメタゾン(40mgを経口または静注、第1、8、15、22)を、28日サイクルで治療を行った。試験の主な目的は、安全性の評価とレジメンの最大耐量(MTD)を決定することとした。

 主な結果は以下のとおり。

・32例の患者が登録された。
・レジメンのMTDは、用量レベル1(carfilzomib:20/27mg/m2、ポマリドミド:4mg、デキサメタゾン:40mg)であった。
・血液学的有害事象は、全患者の60%以上(Grade3以上の貧血11例を含む)で発生した。
・呼吸困難はGrade1/2に限られ、10例の患者で認められた。末梢神経障害は、まれでGrade1/2であった。
・治療中に8例で投与量の減量を行い、7例は有害事象により治療を中止した。
・2例の死亡例は、それぞれ肺炎、肺塞栓症によると考えられた。

 結果を踏まえ、著者らは「再発・難治性の多発性骨髄腫患者に対するCPD療法は、良好な忍容性と非常に有望な活性をもたらす」としている。

(ケアネット 鷹野 敦夫)

参考文献

Shah JJ, et al. Blood. 2015;126:2284-2290.

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