中国の大学生、性への意識が開放的に

提供元:ケアネット

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公開日:2016/01/05

 

 性感染症(STD)の蔓延と若年者における性行動の増加により、性・生殖健康に関する教育が注目されている。中国・上海交通大学のHongxiang Wang氏らは、大学生の性・生殖健康状況について調査を行い、2005年に比べ2013年は性に対する意識が開放的になっていることを明らかにした。ただし、性知識は増えているもののさらなる改善の余地があり、著者は「性教育は若者の実際のニーズに基づくべきであり、たとえばコンドームの正しい使用法など実践的な教育にとくに配慮しなければならない」とまとめている。International Journal of Clinical and Experimental Medicine誌2015年9月15日号の掲載報告。

 研究グループは、2013年5月、上海交通大学に通う19~21歳の学生(1,000人)を対象に、性・生殖健康状況に関する調査票を配布した。調査へは自由参加で、記入は匿名とした。質問内容は、個人情報ならびに多肢選択質問(72項目)から成り、後者は次の4つのカテゴリーに分けられた。(1)性・生殖健康およびSTDに関する知識、(2)性行動に対する考え方、(3)ポルノ本/映画に対する考え方、(4)性/生殖健康教育(性教育)に関する希望。

 なお、参加者は大学入学以後、性教育は受けていない。また、参加者の専攻科目は2005年4月の調査時とおおむね類似していた。

 主な結果は以下のとおり。

・調査票の回収率は、98%であった。
・個人の衛生意識は、女性が男性より非常に高かった。
・婚前交渉に肯定的な考えを示した学生は、2005年の36.2%に比べ、2013年は63.85%と有意に増加した(p<0.0001)(女性:24.9%→48.7%、男性:46.2%→67.9%、いずれもp<0.0001)。
・一方、未婚の妊娠を容認できると回答した学生は約3分の1で、2005年と2013年でほとんど変化はなかった。
・回答者の80%以上はコンドームの必要性を理解していたが、コンドームの使い方に関する知識はないと回答した学生の割合は高いままであった(2005年86%、2013年83%)。
・AIDSの感染経路に関する知識は、2005年に比べ2013年は有意に増加していた(2005年83%、2013年90%、p<0.0001)。

(ケアネット)