白内障術後眼内炎、効果の高い予防的抗菌薬投与は?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/02/18

 

 白内障の術後眼内炎予防を目的とした抗菌薬投与は、前房内注射が点眼よりも効果が高く、また、注射+点眼は注射単独よりも効果が増すことは示されなかった。米国の北カリフォルニア・カイザーパーマネンテのLisa J. Herrinton氏らが、同加入者で白内障手術を受けた31万5,246例を対象に行った観察縦断的コホート研究の結果、報告した。なお、同コホートの眼内炎発症率は0.07%で、後嚢破損が依然として重大なリスク増大因子(3.68倍)であったという。Ophthalmology誌2016年2月号(オンライン版2015年10月14日号)の掲載報告。

 検討は、抗菌薬の点眼または注射投与による白内障の術後眼内炎予防効果を調べることを目的とし、北カリフォルニア・カイザーパーマネンテの加入者で、2005~12年に白内障手術を受けたことが確認できた31万5,246例を対象に行われた。

 電子医療記録から、被験者特性、医療・服薬・手術記録の情報を入手し、予防的抗菌薬投与(ルートと薬剤)と眼内炎リスクとの関連を調べた。ロジスティック回帰分析法を用いて、補正後オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出し評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・確認された眼内炎は215例(0.07%、0.7/1,000)であった。
・後嚢破損による眼内炎リスク増大は3.68倍(95%CI:1.89~7.20)であり、術中合併症が依然として眼内炎リスクのキー因子であった。
・予防的抗菌薬投与は、前房内注射が点眼単独よりも効果が高かった(OR:0.58、95%CI:0.38~0.91)。
・前房内注射+ガチフロキサシンまたはオフロキサシン点眼は、前房内注射単独よりも効果が高いとはいえなかった(OR:1.63、95%CI:0.48~5.47)。
・ガチフロキサシン点眼と比較して、アミノグリコシド点眼は効果が低かった(OR:1.97、95%CI:1.17~3.31)。

【訂正のお知らせ】
最終行の表記に誤りがあったため、下記のように訂正いたしました(2016年2月23日)。
「ガチフロキサシン点眼と比較して、アミノグリコシド点眼効果が低かった~」

(ケアネット)