統合失調症の認知機能障害、コリン作動系薬の可能性

認知障害は統合失調症において社会性に最も悪影響を与える症状であるが、効果的な治療が行われていない。コリン作動系は、これら症状を効果的に治療することができる新規薬剤の標的として有望視されている。オーストラリア・Florey Institute of Neuroscience and Mental HealthのAndrew Gibbons氏らは、統合失調症に対するコリン作動系の新たな薬物標的に関してレビューを行った。Current pharmaceutical design誌オンライン版2016年1月26日号の報告。
著者らは、統合失調症におけるコリン作動系の機能障害を裏付ける文献をレビューし、コリン作動系の調節が統合失調症の症状を改善することを示す前臨床および臨床データの検討、ならびに統合失調症におけるコリン作動系機能障害を治療するために検討された主な薬理学的戦略をレビューした。
・剖検および神経画像研究では、統合失調症患者における皮質のコリン作動性受容体シグナル伝達ならびに皮質下領域(海馬や線条体)の広範な縮小が示唆された。
・潜在的なコリン作動性薬物標的は、受容体機能の亢進を進める。
・これらは、シナプスのアセチルコリンレベルを増加させるため酵素アセチルコリンエステラーゼ活性を阻害し、アゴニストまたは正のアロステリックモジュレーターをもつニコチン受容体やムスカリン受容体の活性を増加させる。
関連医療ニュース
統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か
グルタミン酸作用、統合失調症の認知機能への影響は認められず
統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs リスペリドン
(鷹野 敦夫)
[ 最新ニュース ]

lepodisiran、400mg投与で半年後のLp(a)値を93.9%低下/NEJM(2025/04/17)

TAVI生体弁比較、SAPIEN 3 vs.Myval/Lancet(2025/04/17)

抗血小板薬併用療法のde-escalationの意味わかる?(解説:後藤信哉氏)(2025/04/17)

慢性期心不全患者への水分制限は不要!?(FRESH-UP)/ACC(2025/04/17)

セフトリアキソンで腎盂腎炎を伴う腸内細菌目細菌菌血症を治療できるか(2025/04/17)

日本の男性乳がんの生存率、女性乳がんと比較~12府県のがん登録データ(2025/04/17)

若年性認知症患者、過去30年間で2倍超(2025/04/17)

医師からのメッセージ、AIが作成しても患者の満足度は高い(2025/04/17)

喘息の検査には時間帯や季節が影響する(2025/04/17)