統合失調症の認知機能障害、コリン作動系薬の可能性 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/03/01 認知障害は統合失調症において社会性に最も悪影響を与える症状であるが、効果的な治療が行われていない。コリン作動系は、これら症状を効果的に治療することができる新規薬剤の標的として有望視されている。オーストラリア・Florey Institute of Neuroscience and Mental HealthのAndrew Gibbons氏らは、統合失調症に対するコリン作動系の新たな薬物標的に関してレビューを行った。Current pharmaceutical design誌オンライン版2016年1月26日号の報告。 著者らは、統合失調症におけるコリン作動系の機能障害を裏付ける文献をレビューし、コリン作動系の調節が統合失調症の症状を改善することを示す前臨床および臨床データの検討、ならびに統合失調症におけるコリン作動系機能障害を治療するために検討された主な薬理学的戦略をレビューした。 ・剖検および神経画像研究では、統合失調症患者における皮質のコリン作動性受容体シグナル伝達ならびに皮質下領域(海馬や線条体)の広範な縮小が示唆された。 ・潜在的なコリン作動性薬物標的は、受容体機能の亢進を進める。 ・これらは、シナプスのアセチルコリンレベルを増加させるため酵素アセチルコリンエステラーゼ活性を阻害し、アゴニストまたは正のアロステリックモジュレーターをもつニコチン受容体やムスカリン受容体の活性を増加させる。 関連医療ニュース 統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か グルタミン酸作用、統合失調症の認知機能への影響は認められず 統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs リスペリドン (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gibbons A, et al. Curr Pharm Des. 2016 Jan 26. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)