急性双極性うつ病に対する非定型抗精神病薬の信頼性は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/03/11 双極性障害(BD)に関連する混合性の特徴を伴う急性うつ病の治療における第2世代抗精神病薬(SGA)の使用を支持するエビデンスは乏しく、不明確である。そのような中、米国・コロンビア大学のMichele Fornaro氏らは、混合特徴を伴う急性BDのうつ病治療に対するSGAを調査した研究のシステマティックレビューと予備メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年2月号の報告。 独立した2人の著者が、1990~2015年9月の期間で主要な電子データベースより、混合性の特徴を伴う急性双極性うつ病治療に対するSGAの有効性を調査した無作為化(プラセボ)対照比較試験(RCT)またはオープンラベル臨床試験の検索を行った。ランダム効果メタ解析により、SGAとプラセボ間のうつ症状および躁症状のスコアのベースラインからエンドポイントまでの変化に関する標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(CI)を計算した。 主な結果は以下のとおり。 ・RCT 6報、オープンラベルプラセボ対照研究(事後レポートを含む)1報から1,023例の患者が抽出された。 ・対象患者には、ziprasidone、オランザピン、lurasidone、クエチアピン、asenapineのいずれかが、平均6.5週間投与されていた。 ・Duval and Tweedie調整により出版バイアスを加味したメタ解析では、SGAは、ヤング躁病評価尺度(YMRS)総スコアの平均値により評価されるように、混合性の双極性うつ病の躁(軽躁)症状の有意な改善をもたらした(SMD:-0.74、95%CI:-1.20~-0.28、SGA:907例、対照:652例)。 ・メタ解析では、SGA治療患者(979例)は、プラセボ群(678例)と比較してモンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)スコアの大幅な改善が認められた(SMD:-1.08、95%CI:-1.35~-0.81、p<0.001)。 著者らは「全体的に、SGAはプラセボと比較し、MADRSやYMRSスコアの良好な改善が認められた。しかし、本報告の予備的な性質を考えると、信頼性の向上や決定的な結論を導くために追加のオリジナル研究が必要とされる」とまとめている。 関連医療ニュース 双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fornaro M, et al. Int J Mol Sci. 2016;17. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)