3枝病変でのPCI対CABG、年齢・性別の影響は

提供元:ケアネット

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公開日:2016/04/06

 

 3枝冠動脈病変患者において、冠動脈バイパス術(CABG)に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の相対死亡リスクは、年齢との間に有意な関連が認められ、74歳以上では超過、74歳未満ではニュートラルであったことを小倉記念病院の山地 杏平氏らが報告した。実臨床では、PCIとCABGの選択において性別も考慮すべき重要事項であるが、本検討では相対死亡リスクに性特異的な差は認められなかったという。Circulation誌オンライン版2016年3月23日号に掲載。

 今回の研究集団は、多施設CREDO-Kyotoレジストリの登録患者2万5,816例(コホート1:9,877例、コホート2:1万5,939例)のうち、3枝病変患者5,651例(男性3,998例/女性1,653例、PCI 3,165例/CABG 2,486例)。年齢の三分位数に応じて、65歳以下(1,972例)、66~73歳(1,820例)、74歳以上(1,859例)の3群に分けた。

 主な結果は以下のとおり。

・CABGに対するPCIの調整過剰相対死亡リスクは、74歳以上で有意であった(HR:1.40、95%CI:1.10~1.79、p=0.006)。一方、65歳以下(HR:1.05、95%CI:0.73~1.53、p=0.78)および66~73歳(HR:1.03、95%CI:0.78~1.36、p=0.85)ではニュートラルであった(交互作用のp=0.003)。

・CABGに対するPCIの過剰相対死亡リスクは、男性で有意であり(HR:1.24、95%CI:1.03~1.50、p=0.02)、女性では有意傾向がみられた(HR:1.34、95%CI:0.98~1.84、p=0.07)。

・CABGに対するPCIの相対的死亡リスクと性別との間に、有意な交互作用は認められなかった(交互作用のp=0.40)。

(ケアネット 金沢 浩子)